2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24681018
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
池田 勝佳 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50321899)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | プラズモン / ナノ構造 / 機能性 |
Outline of Annual Research Achievements |
ナノ空間に閉じ込めた光は,物質系の電荷やスピンと強く相互作用すると予想され,スピン・電荷・フォトンが協同的に結合した新規機能性の発現が期待される。ところが,磁性を始めとするd電子特有の機能性を有する金属種においては,光学周波数領域での誘電損失が大きく,プラズモン共鳴を利用した光の閉じ込めには不向きである。本研究では,「d電子機能性」と「キラル構造等の構造に基づく非相反応答化」を導入したプラズモニック構造構築により,複合機能性を持つナノ構造の構築と局在光に本質的な協同現象の発現を目指した。 平成26年度の研究においては、d電子の局在性が強いPdを対象に、プラズモン共鳴の強度と変化率の両立を実現するナノ構造として、積層型ナノドットを用いた実験を行った。この構造をダイマー化すると、従来の金属ヘテロダイマーとは大きく異なる特性を有することを明らかにし、更に理論計算との検証と合わせて、積層型ダイマー構造の有効性・汎用性を示した。この成果はACS Photonicsに掲載された。また、機能性プラズモニック材料の例として、Pdの特徴的な性質である水素吸蔵特性に着目し、積層型ナノ構造と、透明基板として酸化チタン光半導体を用いる構造によって、光で可逆に変化するプラズモン共鳴特性を実現し、その光応答性に影響する因子を詳細に調べた。今回開発した方法論では、共鳴波長域の制御とその可逆的変化を自在に設計できるため、この成果に基づく特許申請を行った。 上記の金属構造体の表面に対してキラル構造を持つ分子を吸着させ、その協同効果の発現についても検証を行った。ナノ構造体の設計自由度の高さと分子側の設計を併用すれば、協同効果の発現に期待がもたれる。 このように、金属材料のd電子機能性を積極的に利用可能な新しいプラズモニック構造の開発を行い、光の閉じ込め効果と様々なd電子機能性を自在に組み合わせる方法論を確立した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)