2012 Fiscal Year Annual Research Report
低環境負荷の液中セルフアセンブリプロセスでつくるマイクロ・ナノデバイス構造
Project/Area Number |
24681020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
熊谷 慎也 豊田工業大学, 工学部, 准教授 (70333888)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ナノ材料 / マイクロ・ナノデバイス / セルフアセンブリ |
Research Abstract |
本研究では、ナノ・バイオ材料と固体表面との間の静電相互作用を制御して、デバイス構造の中に複数種のナノ・バイオ材料をセルフアセンブリで並べ分けて組み込む技術を確立し、トップダウン加工によるマクロな構造に、ボトムアップで作製されたナノ材料を組み込む、機能構造作製プロセスを目指している。 静電吸着法を種々の材料に適用した。これまで取り扱ってきたφ10nmのバイオナノ粒劇碑えて、ナノロッド(直径:φ10nm,長さ:40nm)、蛍光ラベル付きシリカ粒子(φ100nm)のパターン配置に取り組んだ。ナノロッド、シリカ粒子の表面はカルボキシル基修飾されており、溶液中で負に帯電している。アミノシラン分子を用いた表面修飾によって導入されるアミノ基は正に帯電するため、静電引力を及ぼしあい、吸着する。 ナノロッドに対して、ライン状の静電吸着アミノシランパターン上への配置を試みた。異方性のある吸着パターンを期待したが、方向はランダムであった。ナノロッド表面に提示されているカルボキシル基の結合密度が低くなっており、その結果、異方性吸着パターンを実現する静電相互作用力が不足していたものと考えられる。一方、シリカ粒子に対しては、ディスク状パターン、ライン状パターンへの吸着を試みた。シリカナノ粒子を含む溶液を純水置換し、静電吸着を行った。走査電子顕微鏡(SEM)で観察を行い、ディスクパターン上への単一配置、ラインパターン上への1列配置パターンを得た。しかしながら、静電吸着パターン以外の下地であるSiO_2表面への吸着も多く見られた。φ10nmナノ粒子の静電吸着とは状況が異なっている。要因の一つとして、余剰の溶液を洗い流すリンス工程が影響しているのではないかと考えられる。アミノシランパターン上に吸着するが、体積が大きいため純水リンスの際に抵抗力を受けて、吸着力の弱い箇所から、洗い流されていると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
H24年度は吸着の実験に時間をあてたため、吸着過程の解析が遅れている。一方、顕微観察系の立ち上げを行った。マイクロ流路を用いて蛍光ナノ粒子のパターニングを行い、励起光照射下での蛍光観察を実現した。H25年度以降のデバイス評価に利用していく。
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Strategy for Future Research Activity |
H24年度に研究室に計算用の高速PCが導入されており、これを利用して解析面での遅れを取り戻す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ナノ材料の購入に使用する。 ナノ材料の吸着実験に遅れがでたため残額が発生した。
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