2014 Fiscal Year Annual Research Report
低環境負荷の液中セルフアセンブリプロセスでつくるマイクロ・ナノデバイス構造
Project/Area Number |
24681020
|
Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
熊谷 慎也 豊田工業大学, 工学部, 准教授 (70333888)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | ナノ材料 / マイクロ・ナノデバイス / セルフアセンブリ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ナノ・バイオ材料と固体表面との間の静電相互作用を制御して、デバイス構造に複数種のナノ・バイオ材料をセルフアセンブリで並べ分けて組み込む技術を確立し、トップダウン加工法でつくられたマクロな構造にボトムアップ手法で作製されたナノ材料を組み込むという、機能構造作製プロセスを目指している。2014年度は、この機能構造作製プロセスをMEMSデバイスの試作に適用した。
シリコン薄膜はMEMSの加工に利用されているが、薄膜内部には結晶粒界のような欠陥が含まれており、デバイスの動作特性はその影響を受ける。ここでは、シリコンとニッケルとのシリサイド反応を利用し、結晶性の向上を試みた。シリコン薄膜上にニッケルナノ粒子を内包させたバイオナノ粒子をパターン配置し、シリサイド反応を利用して結晶化を促進させる成長核 NiSi2 を形成した。この結晶成長核が形成されると外方に向かって結晶化が進み、シリコン薄膜の結晶性が向上する。シリコン薄膜上にパターン配置されたニッケルナノ粒子から結晶化が進む、ボトムアップ手法といえる。
この結晶性が向上したシリコン薄膜を用いて、カンチレバー型の振動子を作製した。動作特性の評価指標として、共振のQ値に着目した。Q値は、振動の一周期において振動系に蓄積されるエネルギーと散逸するエネルギーの比として定義される。Q値が大きいほど、エネルギーの散逸が小さく、動作効率が高いデバイスといえる。上記のボトムアップ結晶化促進プロセスを適用することで、共振のQ値は2倍以上に向上した。つまり、動作効率の高い、低消費エネルギーのデバイスとなったことを示唆している。さらに、このボトムアップ結晶化プロセスを発展させることで、ほぼ均一な結晶化状態となったカンチレバー振動子を作製することができた。
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Causes of Carryover |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|