2015 Fiscal Year Annual Research Report
複層シェル構造金属ナノカップの生命科学分野への実用化応用研究
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24681025
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Research Institution | Kanagawa Academy of Science and Technology |
Principal Investigator |
金 賢徹 公益財団法人神奈川科学技術アカデミー, オンチップ・セロミクスプロジェクト, 常勤研究員・サブリーダー (70514107)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ナノ機能材料 / 磁性構造体 / 細胞精製 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、新規開発した複層シェル構造金属微粒子を実用化利用するための橋渡し原理検討として細胞回収技術開発に焦点を絞り、磁性粒子回収技術と粒径依存フィルタ分画技術の特長を組み合わせた、目的細胞を迅速・簡便に選択回収可能な細胞回収技術の開発を目的としている。 研究最終年度である第4年度目は、超常磁性カップ(magcupと命名)内部へ標的細胞が捕獲される物理的機序を明らかにするための研究について、重点的に評価を行った。 直径6µmのビーズと直径10µmのビーズをモデル回収標的として2種類同時に直径15µmのmagcupと混合し、ビーズ回収率を計測する実験を行った。その際、界面活性剤(微小な高分子)の一種であるTween20を0.0001%から1%の濃度範囲で回収溶媒中に添加したところ、界面活性剤添加濃度が高くなるにつれて回収効率も向上するという結果が得られた。この結果は、溶媒中に大きな粒子と小さな粒子が共存している場合、大きな粒子表面に小さな粒子が存在し得ない排除体積空間が存在し、大きな粒子同士が結合するとこの排除体積が重複することで系全体の排除体積が減少することから、系全体での小さな粒子のエントロピーが向上する、結果的に、系全体として大きな粒子が自己凝集するような駆動力が働くという、「体積排除効果」がmagcup内への標的ビーズ捕獲に寄与している可能性を示唆しており(論文投稿準備中)、magcupを細胞回収技術として実用的に利用する際に回収効率を向上させるための、大きな知見を得ることができた。 以上の通り、研究第4年度目ではmagcupが標的細胞を捕獲する物理的機序の一端を明らかにすることに成功し、得られた成果については、学会発表を行い広く公表した。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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