2017 Fiscal Year Annual Research Report
Rethinking memory from spread of chattering in rural villalge of China
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24681050
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石井 弓 東京大学, 東洋文化研究所, 特別研究員 (50466819)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 記憶 / コミュニティ / 日中戦争 / 語り / 中国農村研究 / オーラルヒストリー / 集合的記憶 / 歴史と記憶 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は8月に第二子を出産したため、産前産後の身体状況の中で子育てをしつつ、可能な限りの研究活動を行った。 第一に、既発表論文の加筆訂正である。『世界』(2015年8月号)に執筆した「日中戦争における対日協力者の記憶」論文を大幅に加筆訂正し、英訳を行った。翻訳を年度内に終えるため、一部の訳と訳出部分の校閲を翻訳会社に依頼した。同英語論文は将来的に国際的な学会誌に投稿する予定である。 第二に、論文「社会主義中国における歴史実践―山西省農村部でのオーラルヒストリー調査を通して」を執筆した。採用期間中に執筆を終えられなかったため現在も執筆中である。同論文は記憶研究のために行ったオーラルヒストリーのインタビューを、農民たちの「歴史実践」として読み直すものである。論文執筆をとおして、中国山西省の農民が紡ぐミクロの口述史は、多様な学問的可能性を有しているのであり、今後新しい歴史学的な視点を吸収することで、その国際的で学際的な広がりを明確なものにしていけると考えられた。 第三に、こうした可能性を広げていくため、在外研究の準備を行った。2018年3月15日より英国オックスフォード大学オリエンタル学科へ1年間の訪問研究を開始したが、英語圏の歴史研究を吸収するための土台として資料及び書籍を読み込んだ。その中で羽田正編著『グローバルヒストリーと東アジア史』は、英語、中国語、ドイツ語、そして日本語圏を包括する最前線の研究内容をまとめており、英語圏の歴史学的手法を吸収する土台となった。また、近年邦訳されたヘイドン・ホワイト『実用的な過去』が論じるPractical Past(実用的な過去)は、物語が有する歴史性に着目しており、口頭で伝えられる物語やお喋りの持つ意味を問う本研究に新たな論理的視角をもたらした。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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