2012 Fiscal Year Annual Research Report
CORONA衛星写真を利用した東南アジア沿岸域の旧地形環境情報基盤の構築
Project/Area Number |
24682008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
渡部 展也 中部大学, 人文学部, 准教授 (10365497)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 地理情報システム(GIS) / 空間情報 / WebGIS / 衛星画像 |
Research Abstract |
本研究では、主に東南アジア沿岸地域を対象にCORONA衛星写真(1960年代を中心として撮影された米軍偵察衛星の写真)を整備し、広くアジアの災害・環境問題等の対策・研究を支援することを目的としている。CORONA衛星写真は当時の衛星としては分解能が最高で1.8mと高いうえに、撮影範囲も横幅180kmと広く、広い範囲の過去の地形環境情報としては理想的なデータであるといえる。本研究では、こうした特徴を持つCORONA衛星写真の補正・処理方法を確立し、処理を行ったデータをもとに過去の地形環境情をWebで提供する地理空間情報基盤を構築する。 平成24年度は、衛星写真の入手と、簡易的手法(既存のDEM及び近年の衛星画像を用いた画像間補正に基づく方法)と写真測量的手法によるデータ補正方法の比較・検討を目的としており、これを実施した。 CORONAによる撮影には様々なカメラセンサーがもちいられており、カメラのパラメータ(内部標定要素)がそれぞれ異なるうえ公表されていないことから、内部標定を推定する形で写真測量を行うこととした。計画時点でも懸念されたことであったが、CORONAの撮影された年代の地表と現在の地表とで変化が大きいため、外部標定で必要となる同定点(地上基準点:GCP)を選定する際に困難があった。同様の理由からまだ絶対的な精度の検証に至っていないが、簡易的手法と写真測量的手法の比較からは、平地においては数十メートル、山地など起伏のある場所で百メートル前後のズレが生じている事が確認された。総じて写真測量的手法の方が安定しているが、平地であれば簡易的手法でも比較的よい精度が得られていることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東南アジア地域の画像検索に際し、特に海岸域の都市域で想定以上に被雲率が高いことが知れたため、精度検証を行う必要性も鑑み一部地域を切り替えざるを得なかった。また、予定していたパノラマ画像の歪み補正と処理におけるGPU利用の検討に十分着手出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
臨海部の被雲率が想像以上に高かったため対象範囲をアジアに関連する大河川(チャオプラヤ、黄河、長江等)の流域圏で、鮮明な画像が多い地域を含めた形に若干修正して整備を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の対象地域の画像選定において、被雲率が問題となった。地域変更先の検討に少し時間を要したため、一部は平成25年度に十分な検討とともに購入することが適切と判断し、年度前半に予定することとした。
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