2013 Fiscal Year Annual Research Report
CORONA衛星写真を利用した東南アジア沿岸域の旧地形環境情報基盤の構築
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24682008
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
渡部 展也 中部大学, 人文学部, 准教授 (10365497)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 地理情報システム(GIS) / 空間情報 / WebGIS / 衛星画像 |
Research Abstract |
本年度は、写真測量的手法によるCORONA衛星写真の補正手法を検討し、基本的な補正手順を確立した。具体的には、CORONA衛星写真の補正を複数の写真測量ソフトウェアで行い、それぞれの精度と操作性を評価し、適用可能性を検討した。広範囲の衛星写真を整備するためには、精度が許す範囲でなるべく効率のよい補正方法をもちいることが望ましい。そこで、最近のSFM技術に基づき半自動的に補正を実行できるソフトウェアも含めて検討したが、特にCORONA衛星写真のファイルサイズの大きさによる制限や、処理時の微調整が出来ない等の問題が生じるものもあった。こうした検証作業を通じ、CORONA衛星写真の補正を行う上での、精度と実際の作業労力とのバランスを鑑みた基本的な作業手順を確立した。 さらに、標定済みのステレオ画像からDEM(標高データ)の生成を試みた。DEMの生成に際しては、CORONA画像特融の歪みに由来すると思われるピクセルマッチングのエラーが認められるものの、中縮尺レベルの地形データとしては有用であることを確認した。また、一部の地域について微地形分類図の作成を行ったが、この際にもDEMは有効であった。現在の土地利用との比較を基に、土地利用の変遷におけるCORONA衛星写真の有効性を確認する事が出来た。昨年度の報告書で述べた通り、想定以上に被雲率の高い地域が多いため、本年度はKH-4B以外のカメラシステムの活用をする事として補正を行った。これにより、より多くの地域を含めた画像の整備が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定されていた項目について、それぞれ以下の進捗があった事から、区分の通り達成度を評価した。 1)写真測量的手法の補正方法について、複数の手法を検討し、CORONA衛星写真を補正するうえでの基本的な手順を確立することができた。 2)確立した補正手順に従い、整備範囲を拡大した。まだ引き続き補正作業中の地域もあるが、ベトナム都市部、台湾・上海付近等の整備を終えた。 3)DEMを生成し、中縮尺レベルのデータとしての有効性を確認する事が出来た。 4)より精度の高い補正を行う上で有効とされる、レンズの補正やパノラマ歪みの補正などについては、文献調査以上の具体的な検討を進められていない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は最終年度になるため、実際の公開に向けて未整備地域の処理を優先して進めていく。そのため、できれば前半期で画像の補正を終え、なるべく早い段階でWebGISによるネットを介したデータ配信のためのプロトタイプ構築を行う予定である。一方で、補正精度を向上させ得る各種パラメータの取得とその活用についても進めていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
衛星写真の種類を増やしたために、画像の再検索が必要となった。このため、画像の購入を先送りしたため。 現在、再検索を行っている最中であり、なるべく早くに購入をする予定である。
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