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2013 Fiscal Year Annual Research Report

主観的幸福度アプローチと仮想離散選択実験による相対効用効果の推定

Research Project

Project/Area Number 24683006
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

山田 克宣  大阪大学, 社会経済研究所, 講師 (80533603)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords相対効用効果 / 幸福度 / 仮想離散選択実験 / 国際比較
Research Abstract

本年度は、社会効用の離散選択実験をアメリカとイギリスに於いて実施した。当初予定されていたドイツ、フランスでサーベイを実施しなかったのは、円安による被験者報酬の高騰という要因と、サーベイ委託会社の技術的な要因がある。
調査は公募入札の結果選定された委託会社である、日経リサーチ株式会社の協力のもとで行われた。被験者の選別については、海外サンプルを保有するSurveyMy社の登録サンプルから社会的代表性をもったサンプル特性にするための層化ランダム抽出を行い、年齢、性別、学歴、居住地域といった属性について公的統計のデータに合うように募集した。調査は2014年3月24から31日の一週間で行われ、英米でそれぞれ4500件以上のクリーン・データを得た。ここでクリーン・データとは、回答時間が極端に短い被験者(今回はパイロットテストのフィードバックから4分未満とした)、離散選択実験に同じ回答番号で答え続けた被験者、離散選択実験の回答を全て「わからない」とした被験者の情報を除いたものである。サーベイ実査進行中も回答データを逐一精査することにより、インターネット調査で特に問題となる回答抵抗のあるデータを排除したことは、意味のある分析結果を得る上で重要である。
今回の社会効用の国際比較実験にあっては、単に効用パラメーターを推計し国際比較するだけでなく、効用パラメーター自体が頑健であるかの追加実験も行った。具体的には、情報トリートメントを3種類用意し、被験者にランダムにそれぞれのトリートメントを割りて、トリートメント間でパラメーター変化に差がないか調べた。これにより、政府が効用パラメーター自体を動かすことが可能か、その手掛かりを与える。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究計画は、幸福度と仮想離散選択実験という2つのアプローチで相対効用効果の推計を行い、幸福度データの政策応用可能性を検討することが目的がある。研究年度2年目までに、計画されていた実験は予定通り完了し、研究計画の遂行に必要なデータを全て準備することができた。従って、分析の準備は万全である。
データ解析という観点では、幸福度データ解析は全て完了しているので研究計画通りに進行していると言える。また、論文化の作業も全て完了し、それぞれ国際査読誌に投稿し、査読申請中である。一方、仮想離散選択実験データについては、国内データについては分析が完了しているが、国際比較研究についてはデータが得られたばかりであり、解析が残された作業となる。
アウトプットの観点からいうと、幸福度データの分析については(1) 日本の幸福度データを用いた相対効用仮説の検証研究について、ワーキングペーパーとして完成したもののジャーナル掲載には至っていない。引き続き国際査読付き雑誌への掲載を目指して改定を行う。(2) インドの幸福度サーベイ・データを用いた相対効用仮説の実証分析についてはWorld Development誌から改訂要求があり、改訂後再投稿し、現在再査読申請中である。(3)幸福度データと仮想離散選択実験という二つの手法で計測した日本の相対効用効果を比較する研究について、当分野の第一人者であるClark教授と共同で論文化を行い、現在国際雑誌に査読申請中である。次に仮想離散選択実験の研究については、(1)国内データを用いた研究は前年度にJournal of Economic Behavior and Organization誌に掲載された。(2)(1)の予備実験の結果をまとめたものを新たに追加し、現在国際雑誌に査読申請中である。(3)国際比較の研究については、これからデータ解析を行う。

Strategy for Future Research Activity

「現在の達成度」欄でも述べた様に、今後は仮想離散選択実験による相対効用効果の国際比較研究についての分析、及び結果の論文化と、全ての研究の国際査読付き雑誌への出版が課題となる。
国際実験データに関する研究以外は論文化まで完了しているので、査読の完了を待ちつつ、研究年度内での掲載を国際ジャーナル出版を目標に努力する。従って、今年度の実質的なエフォートは国際実験データの解析と論文化であり、それを早急に完了させた上で国際学会での報告を行うことを目標とする。学会でのフィードバックが得られた上で、それに基づいて論文化を完了させ、国際査読付き雑誌へ投稿する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究計画では国際比較実験のデータを解析した後、論文化の際の英文校正費用として当該金額を使用する予定であった。この論文化作業が翌年度に持ち越しとなったため、英文校正費用は使用されず、次年度使用額が発生した。
国際比較実験のデータを解析した後の論文化の際の英文校正費用として使用する。

  • Research Products

    (5 results)

All 2014 2013 Other

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Neural Mechanisms of Gain-Loss Asymmetry in Temporal Discounting2014

    • Author(s)
      Tanaka, SC., K. Yamada, H. Yoneda, and F. Ohtake
    • Journal Title

      Journal of Neuroscience

      Volume: 34(16) Pages: 5595-5602

    • DOI

      10.1523/JNEUROSCI.5169-12.2014

    • Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
  • [Journal Article] Misperception of Consumption: Evidence from a Choice Experiment2014

    • Author(s)
      Jung, S., Y. Nakamoto, M. Sato, and K. Yamada
    • Journal Title

      Paris School of EconomicsWorking Papers

      Volume: 2014-14 Pages: 1-26

  • [Journal Article] Appraising the Unhappiness Due to the Great East Japan Earthquake: Evidence From Weekly Panel Data on Subjective Well-Being2013

    • Author(s)
      F. Ohtake and K. Yamada
    • Journal Title

      ISER Discussion Papers

      Volume: 876 Pages: 1-28

  • [Presentation] The Relative Utility Hypothesis With and Without Self-reported Reference Wages2013

    • Author(s)
      Katsunori Yamada
    • Organizer
      日本経済学会
    • Place of Presentation
      富山大学
    • Year and Date
      20130622-20130623
  • [Remarks] 将来の報酬と損失に対する非対称な時間割引パターン(符号効果)の脳内メカニズムを解明

    • URL

      http://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2014/20140408_1?fb_action_ids=808546862508617&fb_action_types=og.likes

URL: 

Published: 2015-05-28  

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