2013 Fiscal Year Annual Research Report
顧客セグメンテーションと個別化技術の統合モデルと大規模データ活用基盤の構築
Project/Area Number |
24683012
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石垣 司 東北大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (20469597)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ビッグデータ / ベイズモデル / マーケティングモデル / データベースマーケティング / 次元圧縮 |
Research Abstract |
本研究の目的は大規模な消費者に対しても計算可能な購買行動モデルの構築である。平成24年度までに、マーケティングで発展している離散選択モデルの一つである階層ベイズ2項プロビットモデルと潜在クラス型次元圧縮モデルを統合した大規模マーケティングモデルを構築した。そこでは、ベイズ型統計モデルの一般的なパラメータ推定法であるマルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)法では、計算コストが高すぎるため、本研究で対象としているような大規模モデルでは実用的ではないという問題点があった。そこで本年度(平成25年度)では、高速にベイズモデルの近似解を求める事が可能である変分ベイズ法を提案モデルに適用を試みた。具体的には、提案モデルにおけるアルゴリズムの導出、計算機上でのプログラミングの実装を行い、MCMC法との計算時間、パラメータ推定精度の比較、マーケティング的知見の抽出を行った。計算コストに関しては、1万人の顧客、1千の商品種を想定したシミュレーションデータでの比較結果として、計算時間を約30分の1まで削減することができた。また、パラメータ推定精度の比較もおおむね良好であった。この成果によって、従来では取り扱うことが困難であった大規模な消費者と商品種に対するマーケティングモデルの実用化に近づけることができた。また、行動履歴データとライフスタイル調査を利用した顧客行動の分析技術の開発も行った。これらの研究で得られた成果をとりまとめ、逐次的かつ適宜に学会発表、論文誌などでの成果発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の交付申請書において設定した小目標1~4のうち、本年度(H25年度)までの研究実績において小目標1~3までは完遂できている。よって本研究の完遂のために必要な研究は小目標4のみであり、最終年度である次年度はこの小目標4の達成に向けて注力することが可能である。この点から、現在までの達成度は区分(2)のおおむね順調に進展していると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの達成度の項において記述した小目標4を達成することによる最終的な研究目的の完遂を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
大規模統計モデルのソフトウェア開発の経費が平成25年度中に執行できなかったことに起因する。 当該助成金が生じた状況、及び、翌年度分として請求した研究費と合わせて、大規模統計モデルのソフトウェア開発のための物品費、旅費、外注費として利用する。加えて、成果発表のための旅費として使用する予定である。
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