2015 Fiscal Year Annual Research Report
「注意バイアス調整治療法」の効果評価研究―神経科学的作用機序に着目して―
Project/Area Number |
24683025
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
袴田 優子 東京大学, 教育学研究科(研究院), 講師 (30450612)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 注意バイアス / 認知バイアス / 注意バイアス緩和治療 / 核磁気共鳴画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究代表者の育児休暇取得により、研究実施を休止した。 このため、来年度(平成28年度)は、実験を再開して目標症例数達成を目指すとともに、研究成果の公開準備を行う。 現在までに、177名までデータ収集を完了している(うち介入に進んだ高リスク者は51名)。前年度までのデータ解析により、注意バイアスが強い人ほど、就寝前のコルチゾール量が有意に高いことや、注意機能 [特に視空間に関わる処理速度やワーキングメモリ] が有意に低いことが見出され、この成果をそれぞれ国際誌に発表している。また現在、注意バイアスの神経基盤に関する論文を国際誌に投稿中である。当研究では、注意バイアスが強い人ほど、否定刺激に対する視床枕活動が有意に強く、視床枕から背外側前頭前皮質を含む前頭-頭頂ネットワークとの間の機能的連結が有意に強まったことが見出されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は、研究代表者の育児休暇取得により、研究実施を休止した。このため、研究計画が遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度(平成28年度)は、実験を再開して目標症例数達成を目指す。とりわけ介入研究において、残り10名程度のリクルートを行い、今年度中期(秋頃)までにデータの収集を完了する。 併せて、ベースラインデータの公開準備(コルチゾール、機能的核磁気共鳴画像を用いた機能的連結との関連等)を進める。 得られた介入データについては、ストレス関連精神症状に対する介入効果を検証するとともに、介入前後の脳活動および体積の変化について検証し、その公開を進める。
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Research Products
(3 results)