2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24684001
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
古庄 英和 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 准教授 (60377976)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | モチヴィックガロア群 / Teichmuller-Legoの哲学 / 多重ゼータ / 結び目 / 基本群 / アソシエーター |
Research Abstract |
4 月末から Bonn の Max Planck 研究所に滞在し整数論とトポロジーを中心としたさまざまな課題について取り組んだ。そして、同研究所において様々な研究者との交流を図った。また、主にヨーロッパ内で開催されている様々な研究集会にも積極的に出向き、研究発表を盛んに行った。平成25年度に行った研究は以下のように大別される。 数論的位相幾何学サイドの研究:数論的位相幾何学では、整数論と位相幾何学の間に概念的な類似が存在することが指摘されていたものの、現今まで直接的な対応については得られていない。本研究者の結び目にガロア群を直接作用させる研究はこの直接的な対応の実現を目指すものである。この研究についてはプレプリントを二本執筆しており、4月のOxfordでの研究集会、9月のBudapestでの研究集会で発表を行った。 解析数論サイドの研究:ある複素多重ゼータ関数の解析整数論的性質とそれの p 進版の性質について松本耕二氏(名古屋大)、津村博文氏 (首都大)、小森靖氏(立教大)らとの共同研究を行いプレプリントを二本執筆している。この研究については、4月のCambridgeでの研究集会、10月のMadridでの研究集会で発表を行った。 数論的代数幾何学およびその他の研究:アソシエーターに関するサーベイ論文を執筆した。アソシエーターに関する研究について10月にLuxembourg大学、11月にIstanbulでの研究集会、3月には日本数学会の代数学賞受賞特別講演で研究発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
松本耕二氏(名古屋大)、津村博文氏(都立大)、小森靖氏(立教大)らとの共同研究が予想以上に発展し、プレプリントを二本も執筆することになった。結び目の数論的構造についても当初予期していなかった現象が発見でき現在プレプリントを執筆中である。またMax Planck研究所において様々な研究者との研究交流を密に計ったおかげでアソシエーターに関しても非常に高い知見が得られるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
低次元トポロジーの(特に結び目理論を中心として)数論的側面の研究を行う予定である。結び目(絡み目)の普遍量子不変量といわれるKontsevich不変量には、Grothendieck-Teichmuller群の定義式である五角形関係式と二つの六角形関係式を用いた代数的な再構成がBar-Natan, Cartier, Kassel-Turaev, Le-Murakami, Bar-Natan, Piunikhinらによって与えられている。彼らの議論を発展させることにより、結び目全体の空間へのモチヴィックガロア群の直接的な作用を構成し、これにより結び目の様々な数論的性質を抽出していく。これは数論的位相幾何学の新しい試みといえる。この研究には国内・国外の幾何学系研究者達との研究討議が必須であるため、国内外の研究集会およびセミナーに出向き研究交流を盛んに計る。 また、Alekseev-TorossianがKashiwara-Vergne予想の解決で導入したKashiwara-Vergne群はGrothendieck-Teichmuller群と同形であろうと予想されている。そしてさらにこの群はモチヴィックガロア群とも同型であることが予想されている。これらの予想は「数論と数理物理学の融合」というプロジェクトに関連している大事な予想である。これら三者の関係の解明にも取り組む。この研究を推進するために、主に国内の表現論関連の研究集会・セミナーに出向き、研究者達との研究討議を数回行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
科研費を用いて出張する予定であった研究集会のいくつかが旅費の一部を先方負担してくれることになったので当初計画していた科研費の使用に余裕ができた。 前年度から計画しているスペインで行われる研究集会に今年度参加し科研費を用いて出張する予定である。 また国内で開催される予定の研究集会も援助していく。
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Research Products
(11 results)
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[Presentation] p-adic multiple zeta values2013
Author(s)
Hidekazu Furusho
Organizer
Joint UAM-ICMAT Seminar, Algebra and Combinatorics
Place of Presentation
Instituto de Ciencias Matematicas Universidad Autonoma de Madrid,
Year and Date
20131004-20131004
Invited
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[Presentation] Galois action on knots2013
Author(s)
Hidekazu Furusho
Organizer
Higher Structures in Topology and Number Theory
Place of Presentation
Clay Mathematics Institute workshop, Mathematical Institute
Year and Date
20130415-20130416
Invited
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