2013 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙硬X線精密撮像分光観測に向けた広帯域CCDカメラの開発研究
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24684010
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中嶋 大 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (70570670)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | X線CCD / ASIC / ΔΣ ADC |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者が既に開発してASTRO-H 衛星搭載X線CCDカメラに採用されているASIC (MND02)のデルタシグマ型ADC回路を、2次から4次に高次化させた新型ASIC(MND03)を製作した。MND02ではADCの内部回路中の電圧を多数回サンプルする必要があったことから、1ピクセルの信号を処理するために、2ピクセル分の時間が掛かっていた。そのため1系統あたり 2 個のADC回路を実装し、交互に処理させる必要があった。これは、1枚の画像内でピクセルによりオフセットとゲインが異なることを意味しており、フラットなダーク画像を得るためにオフセット差の補正が必要となる我々が今年度製作したMND03では、デルタシグマADCの持つノイズ整形機能を強化したため、MND02と同じ雑音性能を得るために必要なサンプル回数が大幅に減った。これにより1つの信号系統あたりに必要なADCは1つになり、従来の個別IC 回路と同様の、フラットなダーク画像を得ることが出来る。CCDの微弱アナログ信号をASIC内部で増幅し、デジタル信号に変換する機能を持つ。4系統の同一回路を持ち、それらが同時に信号処理を行う。MND02の開発を通して得た知見を生かし、全てのトランジスタにガードリングを施すなど、放射線耐性に優れたレイアウト設計を施した。 MND03の単体性能試験を、専用基板を製作した上で行った。同じ振幅のCCD疑似信号を約800ピクセル入力させ、出力信号を復号化した結果得られる波高値のばらつきを雑音性能として測定した。この測定を、振幅を変えながら繰り返して行うことで、線形性能を測定した。結果として、入力等価雑音については、低速域でMND02よりも雑音が高く、200kHz以上の速度でもMND02と同程度であった。この原因としては、今回の4次のデルタシグマ回路に対し、スケジュールの関係で、寄生容量を考慮したポストレイアウトシミュレーションを行えなかったことが挙げられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ASIC素子の単体評価試験が終了し、従来型ASICと比較して一部の指標では期待通りの性能が得られなかったが、本研究の最終目的である高速低雑音CCDカメラへの応用には問題ないと判断出来る。よって次年度ではASICの放射線耐性試験やCCDとの接続試験を行うことで、カメラシステムが完成出来ると見込んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度製作した新型ASICが、単体評価試験の結果、フロントエンド回路として十分機能することが実証された。よって次年度ではASICを宇宙環境で使用するために必要な放射線耐性を検証するため、外部施設で放射線照射試験を行う。また、既に所持しているX線CCDセンサと接続して単体X線の照射実験を行うことで、カメラシステム全体としての分光性能を評価する。
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Causes of Carryover |
ASICは完成したものの、CCDカメラとしての動作試験を次年度に行う必要が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
CCDカメラシステムを構成する、SpaceWireケーブルや、冷却したCCDを動作させるための真空槽フランジなどを購入する。
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Research Products
(8 results)