2012 Fiscal Year Annual Research Report
光スクイーズ装置を用いた能動的信号増幅システムの開発
Project/Area Number |
24684014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宗宮 健太郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (10582603)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 光バネ / 信号増幅 / 量子限界 / 干渉計 / 重力波 / スクイーズ |
Research Abstract |
光干渉計のシグナルリサイクリングキャビティにパラメトリック増幅器を導入して広帯域で標準量子限界を超えるような信号増幅を実現することが、本研究の目的である。本年度の目標は、軽量鏡を用いた干渉計の制御を行うことと、パラメトリック増幅器導入の準備を行うことであったが、どちらも当初の目標はほぼ達成できたと考えている。本年度の成果は以下の3つである:(i)信号増幅理論の確立、(ii)軽量鏡干渉計の設置、(iii)パラメトリック増幅器の選定。まず(i)については、11月頃にこれまで単純な信号増幅だと考えていたものが、光バネのダイナミクスの変化であることを発見した。直後に共同研究者であるCaltechのChen教授を訪問し、この点に関して合意に達した。(ii)については、軽量鏡の懸架システム構築に試行錯誤を繰り返した。9月に板バネを用いた1号機を試作、10月にドイツから招へいしたGossler博士らが1号機の問題点を指摘し、ワイヤーを用いた2号機を試作、その後、東工大の学生が2号機で干渉計の制御に成功したが、2号機にも細かい問題が発覚し、3月にアップグレードに着手した。軽量鏡特有の角度不安定性問題については学生がシミュレーションをし、解決のめどが立った。(iii)については、オプトサイエンス社と打ち合わせを行った。また、1月にスクイーズ実験のエキスパートであるドイツのカレイドフスキ博士が来日、東工大でセミナーを行い、この件に関して議論をした。さらに、1月後半には米国へ出張し、MITのスクイーズ実験のエキスパートとも議論をした。パラメトリック増幅器は次年度早々に購入予定で、そのめどは立った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度予定していた分は順調に進んだと言えるが、理論上の新たな発見により、最終的な目標達成をするための難易度が少しだけ上がったため。具体的には、信号増幅器だけでなく信号を発生する側の干渉計も軽量鏡を用いてデチューンしなければいけないということで、難易度は1.5倍程度になったと言えるが、期間内に十分実現できる範囲と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本実験計画は、(1)光バネの観測、(2)非線形光学素子による信号増幅、(3)非線形光学素子を光共振器に導入したときの信号増幅、という3段階のステップを予定していたが、(2)(3)の中間に、非線形光学素子による光バネ周波数の移動、という新しいマイルストーンを追加することにした。期間内のゴールはこれまで通り(3)に設定する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
459円の端数が生じたが、25年度予算と合算して使用する。
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