2014 Fiscal Year Annual Research Report
X線に主眼を置いた、広帯域X・ガンマ線観測によるガンマ線バーストの放射機構の解明
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24684015
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山岡 和貴 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00365016)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | X線ガンマ線天文学 / ガンマ線バースト / 国際宇宙ステーション / 全天X線監視装置(MAXI) / 高エネルギー電子、ガンマ線観測装置(CALET) |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本主導の観測装置である国際宇宙ステーション搭載の全天X線監視装置(MAXI)と高エネルギー電子ガンマ線観測実験(CALET)を用いて、広帯域X・ガンマ線(特にX線に着目)を手掛かりにガンマ線バースト(GRB)の放射機構、X線領域で卓越した放射をもつX線フラッシュ(XRF)の起源に迫るものである。 2009年7月に打ち上げられたMAXIは6年近く経過した今も順調に運用が進められ、平成26年度は実に13個のGRB検出(これまでに60個)に成功し、未検出のものも含めて19のガンマ線バースト速報(GCN)を発行した。Swift衛星による追観測は6個に対して行われ、1個(GRB140818A)についてX線、紫外可視光の対応天体が見つかった(ただし、赤方偏移は決定できず)。一方これまで検出された35個のGRBについてまとめられた論文は日本天文学会欧文研究報告(PASJ)にSuzuki et al. (2014)として受理されている。その他、現在すざくのGRBカタログ論文についてもまとめている。
CALETについては、青山学院大学と名古屋大学が共同で進めているガンマ線バーストモニタ(CGBM)の全ての試験を終え、現在射場であるJAXA種子島宇宙センターに送られ、2015年夏期の打ち上げを待っている段階である。今年度の大きなものとして2014年12月、2015年3月にはJAXA筑波宇宙センターにてCALET組み上げ後の密封ガンマ線源照射試験を実施し、CGBM周囲の物質の影響を評価した。 2014年1月に行われた地上較正実験のデータをもとに、LaBr3とBGOシンチレータで構成される硬X線モニタ(HXM)、軟ガンマ線モニタ(SGM)の応答関数構築を行った。今後打ち上げまでに今回製作した地上残存モデルを使用してさらなる精度を追求していく。また、打ち上げ直後から成果を出すため、速報の体制の確立、解析ソフトウエア、キャリブレーションデータベースの構築を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MAXI、Swift,すざくなどのガンマ線バースト観測は順調に行われ、本科研費の大きな目標であった、CALETガンマ線バーストモニタ(CGBM)の開発は完了し、後は打ち上げを待つばかりとなっている。ただし、ガンマ線バーストの広帯域観測(特にX線観測)で斬新な結果はまだ得られていない。今後は最後の課題でもあるMAXIとCALETとの同時観測の実現、そして斬新な成果の創出に向けて、青山学院大学、名古屋大学、他CALET国際チームの共同で速報体制や解析環境の充実に重点を置いていく。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、運用・速報体制や解析環境の充実を図るため、青山学院大学、名古屋大学、CALETの主要機関である早稲田大学とミーティングを行い、密に情報交換を行っていく。また、データ解析の人員確保のため、大学院生の短期雇用も検討していく。さらにサイエンス論文として仕上げるため、ガンマ線バーストの理論に明るい方を招き、成果をまとめる。
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Causes of Carryover |
今年度CALETガンマ線バースト検出器の地上残存モデルを構築する予算を確保していたが、当初の予定よりも価格を抑えることができた。ただし、今後も応答関数精度向上のため、この地上残存モデルを維持していくため、次年度消耗品などに使用する必要がある。また、CALETの打ち上げが本研究がスタートした時から、約1年遅れており、次年度の打ち上げ以降解析するための計算機環境構築の予算を確保を行う必要がある。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
CALETが打ち上げられる夏までに計算機環境構築のため、PC、ハードディスク、ネットワーク機器を購入する。また、並行して、地上残存モデルやその測定環境維持のための消耗品(接着剤、治具)を購入する。
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Research Products
(16 results)
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[Presentation] CALET ガンマ線バーストモニター開発の現状報告 52015
Author(s)
沼一真 , 吉田篤正 , 坂本貴紀 , 井上亮太 , 川久保雄太 , 寺澤俊介 , 川原健人 , 高橋一郎 ( 青学大理工 ), 山岡和貴 ( 名大 STE 研 ), 中平聡志 (JAXA/ISAS), 鳥居祥二 ( 早大理工研 ), 佐野伊彦 , 佐藤崇行 , 清 水雄輝 (JAXA/SEUC), 他 CALET チーム
Organizer
日本天文学会2015年春季年会
Place of Presentation
大阪 大学 豊中キャンパス
Year and Date
2015-03-20
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[Presentation] CALET on the ISS2014
Author(s)
Yamaoka, K
Organizer
Ioffe Workshop on GRBs and other transient sources: 20 Years of Konus-Wind Experiment
Place of Presentation
Ioffe Institute, St, Petersburg, Russia
Year and Date
2014-09-26
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