2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24684018
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
關 義親 独立行政法人理化学研究所, 光量子工学研究領域, 研究員 (90585209)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 中性子干渉計 / 多層膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
人工的な1次元格子である多層膜は,その格子定数を変化させることで波長の拡がりをもった白色中性子ビームを取り扱うことができる.とくに膜厚を徐々に変化させながら製膜された多層膜ミラーはスーパーミラーと呼ばれる.このようなミラーをを多層膜中性子干渉計に適用することで,J-PARCなどの大強度パルス中性子源の積分強度を有効利用した精密測定が可能になる.
しかし,これまで多層膜ミラー自体がBragg反射時に中性子波動関数に引き起こす位相変化についてはあまり考慮がされていなかった.多層膜中での波動関数の伝播を光学ポテンシャル法によって数値計算したところ,格子定数が連続的に変化するスーパーミラーでは反射波の位相が激しく振動することが判明した.これにより,スーパーミラーを用いたビームスプリッタではわずかなアラインメントのずれやビーム発散によって,干渉縞のコントラストが大きく減衰してしまうと考えられる.一方,一定の格子定数をもつモノクロミラーでは反射波の位相はBraggピーク周りで緩やかに線形変化する.したがって,白色ビーム対応中性子干渉計に用いる多層膜ミラーはスーパーミラーよりも複数のモノクロミラーを組み合わせた多色ミラーの方が適することがわかった.
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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