2014 Fiscal Year Annual Research Report
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24684032
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
千葉 文野 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (20424195)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高圧力 / 高分子 / 液体液体転移 / ポリアモルフィズム |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、平成25年度に得た成果の一部を論文発表した(Journal of Molecular Liquids誌、2014年9月)。内容は、1種類の高分子を用いた2種類のガラス固体の作成についてである。平成26年度の研究の進展に関しては、研究代表者の妊娠・出産により、研究計画の遂行に遅れが生じたほか、国内外の学会における発表の予定を取り消し、出張を取りやめる必要が生じた。しかしながら、SPring-8におけるX線回折実験は、予定通り10月に行い、ヘリウムガスで高分子P4MP1を加圧した場合の興味深い振舞いを観察することができた。研究代表者は2015年1月に出産後、3月末に職場復帰し、この結果の論文化を目指している。 日本物理学会2014年秋季大会(中部大学)では装置開発の詳細についてポスター発表を行った(発表題目「数kbarまでの低圧域に適したガス圧駆動式DACの開発」)。高圧力学会においても装置開発に関して発表予定であったが、会場である徳島大学への出張を控えることにし、発表予定を取り消した。同様に、リスボン(ポルトガル)において開催されたLiquid Matter Conferenceにおける発表予定も、海外への渡航を控えるため、取り消さざるをえなかった。 SPring-8のビームラインBL04B2を用いて、ヘリウムガスによる加圧下における高分子P4MP1溶融体の構造の圧力依存性を調べ、ピストンによって加圧した場合との明瞭な差を観察した。このような、ガス圧式と固体圧縮式の明瞭な違いを観測できたことは、ガス吸着やフィルターとしての応用的視点からも重要であるが、世界でも他にこのような実験例はないと思われる。詳細は現段階で投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は研究代表者1名が行っているが、研究代表者のライフイベント[妊娠(平成26年)、出産(平成27年1月)]により、実験に遅れが生じたほか、成果発表にも遅れが生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
高分子P4MP1溶融体の圧力依存性について、ガス圧による加圧と、固体圧縮式の加圧とで明瞭な差が生じるという、平成26年度に得た実験結果の論文発表を行い、学会における発表も行う。出産後間がないため海外における学会発表が困難と予想されるため、国内の学会発表となる可能性が高い。また、その他成果をまとめ、論文化する。 実験に関しては、海外出張が困難となったため国内において実行することとし、特に平成27年度には研究代表者の研究室にて展開可能な実験に注力する。具体的には、高分子P4MP1の空隙へのガス吸着やガス透過性と圧力誘起構造変化の関係について、明らかにしたい。
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Causes of Carryover |
研究代表者のライフイベント[妊娠(平成26年)、出産(平成27年1月)]により、実験や成果発表等に遅れが生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究室にて行う実験のための物品の購入に主として使用する。研究責任者だけでは困難な実験に際しては、実験補助員の雇用に、また、研究成果の公表にも使用する計画である。
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Research Products
(5 results)