2013 Fiscal Year Annual Research Report
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24686011
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
宮地 悟代 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30378905)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | レーザー加工 / フェムト秒レーザー / ナノ構造 / 窒化ガリウム / 表面プラズモンポラリトン / 近接場 |
Research Abstract |
これまでに高強度なフェムト秒レーザーパルスを照射することによって、固体表面に励起される表面プラズモンポラリトンとそれに付随した近接場を空間制御するため、簡便な2ステップのアブレーションプロセスを提案した。その手法とレーザーの照射条件(入射角、パルスエネルギー、パルス数)を精密に制御した結果、窒化ガリウム表面に均一で直線性の良いナノ格子を成功することに成功している。 表面プラズモンポラリトンは入射光の波長に大きく依存するため、紫外のフェムト秒レーザーを用いた場合、周期は数10 nmとなることが予想されることから、平成25年度はこれまでに明らかにしてきた物理過程モデルを利用した微細化に取り組んだ。具体的には、まずTi:sapphireレーザーシステムから出力される中心波長800 nm、パルス幅100 fs、繰り返し10Hzのレーザーパルスを、BBO結晶、波長板、カルサイト基板に通過させ、3倍波である波長267 nm、パルス幅300 fsのフェムト秒レーザーパルスへと変換し、ターゲットである窒化ガリウムに照射した。基本波を用いて行ってきた実験方法と同様に、2ステップアブレーションプロセスを用いたところ、周期50 nmの均一なナノ格子を形成することに成功した。また、この周期をレーザーパルスのエネルギー密度を上昇させることにより制御できることも分かり、周期60 nmのナノ格子を形成することにも成功した。 以上の結果は、2013年応用物理学会秋季学術講演会にて注目論文として選出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までにフェムト秒レーザーによる固体表面(誘電体及び半導体)への表面プラズモンポラリトン励起とそれに付随した高強度な光近接場によるナノアブレーションをモデル化し、実証することに成功している。平成25年度はこの表面プラズモンの励起モードを入射したレーザー波長によって制御することにより、周期サイズを50 nmまで微細化することに成功したことは当初の計画通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで半導体、誘電体をターゲットとして予定通り研究を進めてきた。しかし、金属のナノ構造生成についてその物理過程が不明であるため、平成26年度は2ステップのアブレーションプロセスを用いてその詳細を明らかにする予定である。この成果によって金属も含めた種々の固体媒質をターゲットとしたユニバーサルなレーザーナノ加工技術となることを目指すべく実験を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成26年度に予定している研究推進方策のために購入する物品に、学術研究助成基金助成金を使用したいため 加工領域の結合構造を分析するため、スペクトルマッピング可能な顕微ラマン分光装置を作成する。そのための電気及び機械部品を購入する。
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