2012 Fiscal Year Annual Research Report
直径およびカイラリティを制御したナノチューブ薄膜生成プロセスのマルチスケール解析
Project/Area Number |
24686026
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
澁田 靖 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (90401124)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ナノチューブ・フラーレン / マルチスケール解析 / 国際研究者交流:イギリス / 国際研究者交流:フランス / 国際研究者交流:ベルギー |
Research Abstract |
本研究では,直径及びカイラリティ(巻き方)を制御したカーボンナノチューブ薄膜生成実現に向けて,直径及びカイラリティ決定因子の解明を目的としている.平成24年度は,触媒金属面方位が カイラリティ決定に与える影響を考察するため,稠密(111)面について,グラファイト/ニッケル相互作用エネルギーの方位依存性を系統的に計算した.具体的にはエピタキシー安定面のエネルギー及び安定面間エネルギーバリアは計算手法によりばらつきがでるため,海外共同研究者と分担して異なるスケールの計算手法で解析し,その整合性を確かめた.申請者がBond-order型ポテンシャル,ベルギー・アントワープ大がReax-FFポテンシャル,フランス・ONERAがTight-Binidng(TB)法,英国・ケンブリッジ大学が半経験的分子軌道法(SEMO)を用いた計算を行い,計算手法により最安定構造が異なる(Rosei及びTop-fcc構造)に分かれることを見出した.これらの知見を雑誌NanoscaleのFuture articleとして投稿すべく,海外共同研究者との間で分担執筆中である. また,触媒金属上における炭素源分子解離過程を理解すべく,第一原理分子動力学法による解析を行い,稠密Ni(111)面上におけるCH4分子解離過程を明らかにした.この知見を雑誌「Chemical Physics Letters」にて発表した.(Y.Shibuta et al, 2013, 565, 92-97)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
触媒金属/グラファイト相互作用エネルギー計算について,海外共同研究者と協力し異なる計算手法により,最安定構造が異なることを見出せたが,初年度の段階で雑誌に投稿するまで結果を纏められたことは当初の計画以上であるため.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り,稠密面に加えグラフェン生成が確認されている格子数面についての,グラファイト/ニッケル相互作用エネルギーの方位依存性を系統的に検討する.また金属触媒上における炭素源分子解離過程についてもナノチューブ直径及びカイラリティ決定に影響を与えることから,第一原理分子動力学法などで詳細に検討する.
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