2013 Fiscal Year Annual Research Report
直径およびカイラリティを制御したナノチューブ薄膜生成プロセスのマルチスケール解析
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24686026
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
澁田 靖 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (90401124)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ナノチューブ・フラーレン / マルチスケール解析 / 分子動力学法 / 国際研究者交流:イギリス / 国際研究者交流:フランス |
Research Abstract |
本研究では,直径及びカイラリティ(巻き方)を制御したカーボンナノチューブ薄膜生成実現に向けて,直系及びカイラリティ決定因子の解明を目的としている.平成25年度は, 昨年度に引き続き,触媒金属面方位がカイラリティ決定に与える影響を考察するため,Bond-order型ポテンシャルを用いて,稠密(111)面について,グラファイト/ニッケル相互作用エネルギーの方位依存性を系統的に計算した.また海外協力研究者が行った他モデルとの結果を比較検討し,雑誌NanoscaleにてFeature Articleとして公表した.(Nanoscale, 5(2013) 6662-6676.) さらにナノチューブ生成初期過程における触媒金属の役割を理解すべく,第一原理分子動力学法により,Niクラスター上における,エタノール分子解離過程を詳細に検討し,CHxCOフラグメント分子がC-C結合解離の鍵であることなどを新たに見出した.これらの結果を論文2報で公表した.(J Phys. Chem. C, 117 (2013) 9983-9990)(CHem Phys Lett 595-596 (2014) 185-191)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り,触媒金属/グラファイト相互作用エネルギー計算について,海外共同研究者と協力し異なる計算手法により,最安定構造が異なることなど有意義な知見を得ることができた.また炭素源分子の解離過程解析も計画通り行い,両テーマについて合計3編の雑誌に投稿することができたため,おおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き,稠密面に加えグラフェン生成が確認されている格子数面について,グラファイト/ニッケル相互作用エネルギーの方位依存性を系統的に検討する.また,並行して行っている第一原理分子動力学法による炭素源分子解離過程の知見と上記エネルギー論との整合性など,これまで得られた知見についてのまとめを行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データ解析ソフトを購入予定であったが,今年度の結果については自作のソフトウェアを活用できたため. H26年度には大きなデータを扱うため,H25年度に購入しなかったソフトウェアを購入する予定である.
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