2015 Fiscal Year Annual Research Report
機能性流体の鎖状クラスタ切断抵抗を利用した力学的脳組織模擬手法の確立
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24686029
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
辻田 哲平 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, その他部局等, 准教授 (40554473)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 機械力学・制御 / 知能機械 / バーチャルリアリティ / 機能性流体 |
Outline of Annual Research Achievements |
機能性流体を脳組織に見立て,流体に対して直接切断等の操作を行うことで,術具の交換が容易であり,微細な力覚が提示可能な脳外科手術シミュレータ用力覚提示装置の開発を行っている.本年度は,H26年度に開発した8自由度力覚提示装置の評価および改良を行った.昨年度行ったJSOL社製磁場解析ソフトウエアJMAGを用いた解析結果と,本年度行ったガウスメータを用いた磁束密度計測結果を比較したところ,おおむね一致しており,設計通りに開発できたことを確認できた.また,昨年度開発した8自由度力覚提示装置は,卓上で使用していたが,MR(Magnetorheological)流体の自由表面の位置が高く,術具を流体に挿入する際に肘が浮いた状態で使用する必要があり,疲労感も高く,実際の手術での状況と大きくことなる問題があった.そこで,8自由度力覚提示装置を置く台座から設計し,成人男性が椅子に座った状態で使用しやすい高さに調整した.また,力覚提示装置の前には,実際の手術でも利用されるような腕置きを設け,長時間のトレーニングを行っても疲労が少なくなるように改良した.8自由度力覚提示装置の上部には3次元液晶ディスプレイを取り付け,手術シミュレーションソフトウエアによって計算される脳の変形挙動を立体的に表示できるようにした.この3次元液晶ディスプレイの上部に,フレキシブルアームでNatural Point社製小型モーションキャプチャシステムV120:DUOを取り付け,操作者が両手に持った術具の位置姿勢を取得し,手術シミュレーションソフトウエアに受け渡せるようにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度,より実際の手術環境に近い状況で手術トレーニングを行えるように,8自由度力覚提示装置の改良を行った.これにより当初予定していた装置よりも,より実践的なものとなった.この改良により,やや遅れが生じたが,8自由度力覚提示装置の完成度が上がり,次年度以降の手術シミュレーションソフトウエアとの連携において有効に作用する.
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Strategy for Future Research Activity |
H27年度に開発した8自由度力覚提示装置の制御ソフトウエア開発および評価を行いながら,FEM(Finite Element Method)により脳組織の変形挙動を計算可能な脳外科手術シミュレーションソフトウエアと連携し,仮想環境内で脳外科手術の基礎的な手技を再現する方法について検討する.
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Causes of Carryover |
次年度使用額は,力覚提示装置を改良するために研究計画の見直しが必要となり,補助事業期間を延長するために生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
延長した補助事業の研究計画を実施するために使用する.
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