2012 Fiscal Year Annual Research Report
実用化に向けて相変化メモリにおける高速高信頼性多値記録に関する研究
Project/Area Number |
24686042
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
イン ユウ 群馬大学, 大学院・工学研究科, 助教 (10520124)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 相変化メモリ / 多値記録 / 高速 / 高信頼性 / 新相変化材料 / パルス工学 / 材料工学 / バラツキ |
Research Abstract |
高速で多値記録に相応しい相変化材料の探求:加熱温度(T)に対する階段的と緩やかな抵抗率(ρ)変化を目指し、高速相変化材料を研究した。(1)多値記録に直接応用できる階段的ρ-T:GeTe相変化材料を用いた相変化素子において、超高速10nsにしても動作(結晶化とアモルファス化)させることに成功した。GeTeにNを添加し、階段的なρ-T特性を得られなかったが、Cu等を添加することにより、階段的なp-T特性が得られた。(2)超多値記録に応用できる緩やかなρ-T:Ge_1Sb_2Te_4、Ge_1Sb_4Te_7にNを添加することで、薄膜のp-Tを緩やかに変化させることに成功した。また、Nを添加したGe_1Sb_2Te_4、Ge_1Sb_4Te_7相変化材料は高い結晶温度を持つことが分かった。これらの特性を生かせば、安定性の良い超多値記録の実現を期待できる。 高速で多値記録に相応しい相変化過程のメカニズム解明と応用:(1)Nを添加したGeTe相変化材料の結晶化温度等の熱特性を示差走査熱量計(DSC)で調べた。Nを添加したことにより、熱安定性に繋がる結晶温度は220℃から300℃以上に上がったことが分かった。また、適度にNを添加し、結晶化による体積変化率はほぼ0%と小さくすることに成功した。このような体積変化フリーの材料をメモリ素子に応用すると、繰り返し回数を大幅に向上させることが可能となる。(2)X線回折(XRD)により、超多値記録に応用可能な、緩やかなρ-TをもつNを添加したGe_1Sb_2Te_4、Ge_1Sb_4Te_7相変化材料のナノ結晶成長抑制効果等に関するメカニズムを解明した。窒化物が結晶粒界に結成したことはナノ結晶成長抑制に寄与したと考えられる。(3)Nを添加したGe_1Sb_2Te_4、Ge_1Sb_4Te_7相変化材料等を用いた素子を試作し、8値の多値記録を実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1年目(平成24年度)に材料を探求、メカニズムを解明する予定でしたが、得られた相変化材料を用いた素子を試作し、8値の多値記録をもう実証した。当初予定した平成25年度の一部の研究内容を少し先に進んできた。
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Strategy for Future Research Activity |
今まで、研究を順調に進んできた。今年度も、予定通りに研究を遂行して行くと思う。 最初に、高速多値記録相変化メモリ素子を設計、試作する。更に多値記録を実証し、多値記録の高速化と熱安定性等を研究する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
高速多値記録を研究するため、高速電気パルス発生器を含むメモリ評価システムを構築する必要がある。素子を試作するときに、レジスト、現像液等の薬品とターゲットも必要である。また、成果を発信するには、国内と国際学会発表をし、論文も投稿する。
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Research Products
(16 results)