Research Abstract |
本課題は,マイクロ波帯において広く普及しているフェーズドアレイアンテナを「光」 の波長帯に適用し,光集積回路(光IC)上に実現することで,一連の大規模・超高速光スキャニングデバイスを創製することを目的とし,研究を進めている. 平成24年度には,8入力8出力の光スイッチマトリクスを初めてインジウムリン基板上に実現し,Cバンド(1530~1560nm)全域をカバーする広い波長帯域,30dB以上の高い消光特性,および,10ナノ秒以下のスイッチング速度など,良好な特性を実証した.並行して,半導体チップ上に集積した光スキャニングデバイスの実現に向けて,45度ミラーによる垂直光カプラの作製手法の確立,2次元平面内スキャニング素子の試作・実証を行った.同時に,3次元スキャニング素子の正確な評価に向けて,制御系,および,測定評価系を新たに立ち上げた.さらには,これらのデバイスをシリコン基板上に実現するために,フェーズアレイ型シリコン光スイッチの研究を開始し,1×8熱光学効果スイッチの試作と原理検証に成功した. 平成25年度は,以上のデバイスの特性に磨きをかけ,さらなる大規模化・高速化を図る予定である. これらの集積デバイスは,光ルータ,サーバ間光配線,光無線通信,医療・バイオセンサなど,幅広い応用が期待される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成24年度交付申請書に掲げた年次計画目標は,全て達成することができた.さらに,シリコン系光スイッチの開発については,当初の想定以上の成果を挙げることができた.その結果,全体として,当初の計画以上に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の成果から,素子本体の特性改善に加え,実装技術の重要性を認識したので,その点を強化したい.具体的には,現行のワイヤボンディング手法に加え,フリップチップ配線技術の導入,および,シリコンフォトニクスによる駆動回路一体集積技術に取り組む.
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