Research Abstract |
平成24年度は,これまでに実験対象としてきた観葉植物の他,植物工場での実用的な栽培される植物として,ミニトマトの栽培,測定を行った。これまで,光照射,遮断に対する植物の生体電位応答について詳しく調べてきたが,それ以外の環境要因,例えば温度や水分量などの影響についての検討が不十分であったため,本年度は,光の照射,遮断を与えた時の生体電位応答を生理活性状態の指標として扱う場合に影響すると考えられる,周囲温度の違いおよび,水ストレス状態における生体電位応答について測定,データを収集し,これらのデータから,環境要因が生理活性および生体電位応答に及ぼす影響について検討した。このとき,時系列データから評価に最適な定量的評価を行うために必要な解析手法についても検討し,植物生理学的に実証されている,光合成速度に及ぼす周囲温度との関係が,生体電位応答の振幅にも表れる可能性が示唆された。さらに,周波数解析を行った結果から,水ストレス状態の植物を判別できる可能性を示唆した。これにより,植物工場における温度条件や,灌水条件を,植物生体電位応答の利用によって最適にコントロールできる可能性が示された。 なお,当初イチゴを栽培・測定予定であったが,測定環境への耐久性や成長速度などから,導入としてミニトマトの栽培・測定を行ったため,平成25年度以降,本来のターゲットであるイチゴの栽培環境と生体電位の関係について詳細に検討していくことで,実用化に向けたシステム作りを進める予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度に栽培予定であったイチゴの栽培,測定ができなかったことと,生体電位応答と生理活性との関連について,従来手法による評価との比較検討が十分に行えていないことから,やや遅れ気味であると考えられる。
|