2013 Fiscal Year Annual Research Report
植物生体電位応答を利用した植物工場内の環境管理・制御システムの開発
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24686049
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
長谷川 有貴 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (90344952)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 植物生体電位測定 / 植物工場 / 環境管理,制御 |
Research Abstract |
植物工場などの施設栽培における環境制御を目的とした本研究について,平成25年度は,主に植物の水ストレスに対する植物生体電位応答に関する詳細な実験を行った。実験では,光照射と遮断を刺激信号として生体電位計測を行った。また,実用的な利用を考え,生体電位信号の解析結果を用いて光条件や空調などの環境要因をコントロールするための新たな測定システムを構築した。このシステムは,従来用いてきたシステムよりも小型で,PCを介さずに,手軽に生体電位の測定が可能とし,また測定データの解析と,その結果を光源や空調設備にフィードバックして用いられるようマイコンを搭載した。 水ストレスに対する応答からは,水ストレス状態が進行するとともに生体電位信号の振幅と光刺激直後に見られるピークが現れる時間に変化があることが示唆された。 今後は,水ストレス,温度,湿度,栄養状態などを評価可能な測定システムを構築するとともに,これらの評価情報を裏付けるため,従来手法との比較検討を行う。 また,このシステムのアルゴリズムを確立し,施設栽培での活用の有用性を評価するため,小型の植物工場を導入し,生体電位測定結果からのフィードバック制御を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度,植物工場を導入予定であったが,導入する植物工場の仕様などについての検討が遅れ,今年度の導入となった。今年度6月に導入予定であり,遅れを取り戻すために集中的にデータを収集する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は,最終年度に向けて実用的な利用価値の評価に取り組む予定である。そのため,様々な環境変化に対する植物生体電位の応答評価をさらに進め,環境制御のためのアルゴリズムを確立するとともに,それを新しい測定システムおよび導入する植物工場に実装し,その有用性の評価を進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
導入予定だった室内設置型植物工場の仕様策定と工事日程調整が遅れ,年度の終わりに関連部材を購入するに留まったため,次年度植物工場導入費用として,次年度使用額が生じた。 次年度6月中に植物工場を導入する。一部部材はすでに入手済みのため,室内設置用植物工場の外壁などの設置費用に使用する計画である。
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Research Products
(3 results)