2013 Fiscal Year Annual Research Report
マルチエージェントシステムに対するブロードキャスト制御技術の確立
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24686051
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
東 俊一 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (40420400)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 制御工学 / マルチエージェントシステム / 確率的制御器 |
Research Abstract |
本研究では,マルチエージェントシステムのブロードキャスト制御技術の確立を目指している.ブロードキャスト制御とは,エージェント間の情報交換が存在しない環境において,すべてのエージェントに同一のメッセージをブロードキャストすることで,大域的目的を達成させるものである.特に,本課題では,ブロードキャスト制御を,大規模系を制御するための新技術として提案し,その普遍的な理論の構築と応用可能性を実証する研究活動を行っている.これに対し,平成25年度に得た成果は以下のようにまとめられる. (1)群ロボットシステムのフォーメーション形成を目的としたブロードキャスト制御において,観測が量子化される場合の制御器の導出を行い,その収束性の証明を行った(IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences,第1回制御部門マルチシンポジウムで発表). (2)ブロードキャスト制御においては,内部に乱数発生器を含むような「確率的制御器」が重要な役割を演じるが,この事実をより一般化し,システム制御において確率的制御器の設計論が新しい研究分野の創成につながる可能性を示唆した(第57回システム制御情報学会研究発表講演会における招待講演にて提案) . (3)招待講演を含む多くの研究発表を通して,ブロードキャスト制御を定着させるとともに,広い分野の研究者の意見を収集した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定より応用に関しては一部変更が必要となったが,予定以上の成果が得られているため.
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Strategy for Future Research Activity |
理論面に関しては,ブロードキャスト制御理論の完成を目指し,更なる一般化を進める. 応用面に関しては,ウインドファームへの展開を検討する.また,上述した「確率的制御器の設計論」を新しい研究分野として定着するような活動を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初申請額が実際の交付額がから大幅に減額されていたために,当初計画を大幅に変更せざるを得なかった.これに伴い繰越が生じている. 本年度は,理論面に関してはブロードキャスト制御理論の完成を目指し,応用面に関してはウインドファームでの利用可能性を検証する予定である.この研究計画に沿った使用を行う.
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Research Products
(5 results)