2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24686068
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
下田 一太 筑波大学, 芸術系, 助教 (40386719)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | アンコール / クメール / イーシャナプラ / サンボー・プレイ・クック / プレ・アンコール / カンボジア / 東南アジア都市史 / 東南アジア建築史 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年度は主に以下の調査を実施した。 (a)都城中央に位置するマウンド状遺構であるM90と番付されたサイトにおいて3次にわたる考古学的発掘調査を実施した。本サイトは南北約80m,東西約30m,高さ約3mの規模で,都城内では最大のマウンドである。マウンド内にはラテライトと煉瓦造の遺構が良好な状態で埋蔵されているのが確認された。構造は大きく上下二層に分かれており,後世に改変された遺構が上層と看取された。下層は高さ2.1mのラテライト造のテラス状遺構で,堅牢かつ丁寧な造りであることから,都城が最盛期を迎えていた時期の重要な施設であったものと考えられる。プレ・アンコール期にこの都城が王都として機能していた時期の施設と考えられよう。一方,上層に認められた煉瓦遺構は,堆積土の上に基礎工をなさずにそのまま構築されており,使用されている煉瓦は完形のものは少なく,また組積方法も粗雑である。建設工事の質が著しく低いことから,当地が王都としての重要性を失った後にこのマウンドが再利用された際の構造と考えられる。 (b)遺跡群北方に位置するローバン・ロミアス寺院のK6と番付される遺構の周辺にて発掘調査を実施した。建築形式や工法よりアンコール期(11世紀)に門,前室,主室が一度に造営されたことが判明した。また,祠堂の周囲には周壁が囲繞していることが確認され,他に類例を見ない伽藍構成であることが明らかとなった。 (c)寺院区の中心寺院であるプラサート・サンボー寺院の中央テラス周辺において考古学的発掘調査を実施した。テラス周辺に煉瓦敷きの敷面が広がっていることが確認され,後世の増築の痕跡も認められた。このクリアランスにより,遺構中央地区の当初の姿が明らかとなったとともに,来訪者が集中する当地区の景観が大きく改善された。 (d)煉瓦造祠堂の建築形式の分析を行い,数種に類型化されることを明らかにした。
|
Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|