2015 Fiscal Year Annual Research Report
ポテンシャルエネルギー駆動バイオミメティック液体操作
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24686076
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
石井 大佑 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60435625)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 表面・界面物性 / 複合材料・物性 / 自己組織化 / 超撥水 / 液滴操作 / 生物模倣 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請課題は、MEMSや燃料電池などの液体の制御・操作が必要不可欠なマイクロフルイディクスデバイスの革新を目指し、感応性階層構造表面上でのポテンシャルエネルギーを駆動力とした省エネルギーな液体操作の実現を試みるものである。植物や昆虫などの生物は、生命活動に必要な水分を獲得するために、最低限の運動エネルギーに加え、表面構造由来のポテンシャルエネルギーで液体を操作している。この生物のもつ特異的な表面構造や液体操作機構に倣った機能表面上でのポテンシャルエネルギー駆動の液体操作に、表面組成や構造制御による刺激応答性を付与し、高度で精密な液体操作の実現を目指す。 本研究では、前述した目的を達成するために、微細凹凸構造の作製と表面濡れ特性評価を試みる。微細凹凸構造は、フォトリソグラフィや鋳型転写法、自己組織化析出法により作製する。作製した微細構造表面の接触角や転落角などの表面ぬれ特性を、既設の接触角計を用いて測定する。疎水性または親水性官能基を末端にもつ化合物による表面化学修飾により、表面ぬれ特性の組成依存性を検討する。 本年度は、微細凹凸構造からなる流路構造を、三軸ロボットにより作製した突起構造の配列パターンを鋳型とした転写法を用いて作製し、表面ぬれ特性を光酸化反応を用いて制御し、自発流路を構築した。配列パターンを精密に制御することで、その流路特性を制御できることを見いだした。また、作製した微細凹凸構造の表面ぬれ特性をCVDにより制御することで、水のみならず異なる表面張力をもつ液体に対しても流路として機能することを見いだした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果の論文投稿や特許取得、対外的な受賞や社会的な報道などの高い評価を受けており、概ね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は研究機関を延長し、研究の進展が著しい凹凸構造からなる自発流路構造についての研究推進と研究成果の報告を重点的に行う。
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Causes of Carryover |
所属機関の大型設備センターの装置や他の研究者が購入した装置を利用する等で、当初計画を効率的・効果的に進めた結果、直接経費を節約できたため。また、研究を協力していた学生が、卒業後も数ヶ月間研究員として協力できることになり、より精緻に研究目的を達成できる目処がたっているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品等の研究経費に加え、研究員の人件費および研究成果の論文投稿費や学会参加費に使用する。
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Research Products
(6 results)