2013 Fiscal Year Annual Research Report
SiC積層欠陥制御によるバルク量子井戸熱電半導体の実現
Project/Area Number |
24686078
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
原田 俊太 名古屋大学, グリーンモビリティ連携研究センター, 助教 (30612460)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 量子井戸 / 熱電変換 / 積層欠陥 / 量子細線 / 部分転位分解 / シリコンカーバイト / 低次元電気伝導 |
Research Abstract |
熱電変換はペルチェ効果、ゼーベック効果の二つの物理現象を用いて、熱エネルギーと電気エネルギーの相互変換を可能にするものであり、エネルギー有効利用の観点から注目を集めている。最近の研究で、低次元伝導を示す物質において量子効果により熱電変換特性の劇的な向上が報告されている。そこで、本研究では、シリコンカーバイトの積層欠陥を利用してバルク結晶に低次元構造を形成し量子効果を付与することを目的として研究を行っている。 溶液成長SiC結晶中には、成長中の積層順序の乱れと、基底面転位の部分転位の分解の二つの原因によって積層欠陥が導入されていた。積層欠陥の構造を透過電子顕微鏡により観察した結果、積層順序の乱れによって生じる積層欠陥は2次元的であるのに対して、部分転位の分解によって生じる積層欠陥の幅は10nm程度と非常に狭く1次元的であり、量子細線構造を形成させることも可能であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
溶液成長SiC結晶の積層欠陥構造を詳細に調査した結果、二次元電気伝導のみならず、一次元電気伝導も実現できる可能性が示唆された。また、積層欠陥の導入と結晶成長条件の関係も明らかとなってきており、積層欠陥密度の制御も当初の予定より自由度が高く実現できている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、作製した積層欠陥を含むSiCの熱電変換特性を測定し、量子効果を確認する予定であるが、すでに、昨年度末に立ち上げた低温熱電変換特性測定装置によって、測定をスタートしつつあり、本装置をフルに活用して研究を推進する。
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Research Products
(8 results)