2013 Fiscal Year Annual Research Report
自律型海中ロボットと海底ステーションによる海底4次元マッピングシステム
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24686097
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
巻 俊宏 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (50505451)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 海洋探査 / 情報システム / ロボティクス |
Research Abstract |
本研究では、自律型海中ロボット(Autonomous Underwater Vehicle, AUV)と海底ステーションの連携により、海底環境の長期間、広範囲かつ密なモニタリングを実現する。観測手段としては可視光による撮影や地形計測など海底至近での実施が求められる手法を念頭におき、AUV にこのような作業をさせるためのナビゲーション手法、後処理によるデータ統合手法まで含めたトータルなシステム開発を行う。本手法は生物学、地質学、考古学といったサイエンス分野のほか、資源探査、漁業, 港湾施設維持、捜索救助など幅広い分野への応用が期待される。 本年度は第2フェーズとして、実証試験用の海底ステーションの設計・製作を行った。製作したステーションはAUVが実海域においてドッキングできるようにLEDマーカーを備えているほか、ドッキング時にAUVを安定して保持するための機構を備えている。また、非接触充電手法として、昨年度の第一フェーズにて基礎試験を行った磁気共鳴式の実証機を設計・製作し、海水中での動作を確認した。 また、ドッキング手法について実海域試験を行い、ホバリング型AUV Tri-TON 2 が海底ステーションにLEDマーカーを用いてドッキングできることを示した。AUVの深度方向のナビゲーションに課題が見られたものの、AUVが計測する深度、高度、LEDマーカーとの相対位置関係を組み合わせることで解決できると考えている。 データ処理手法については、鹿児島湾若尊カルデラおよび駿河湾浅海域でのAUVによる撮影画像、地形データを用いて検討し、3次元画像化を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
第二フェーズとして予定していた実海域用ステーションの設計製作、非接触充電装置の海水中での検証、データ処理まではほぼ予定通り進行している。AUVのステーションへのドッキングにおいて、上下方向の位置制御に課題が残っているが、AUVが計測する深度、高度、LEDマーカーとの相対位置関係を組み合わせることで解決できる見通しが得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はAUVの高度制御方法について、AUVが計測する高度、深度、そしてステーションのLEDマーカーとの相対位置関係をもとに推定することで改善し、水槽試験において安定したドッキングができることを確認する。そして非接触充電機構を組み込み、水槽および実海域にてドッキング、充電、自律観測を組み合わせた総合試験を行い、提案手法の有効性を実証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
海中ステーションの製作において、研究室に既存のパーツを活用することができたため今年度の必要経費を削減することができた。 非接触充電機器をステーションおよびAUVに実装する際の物品費として使用する予定。
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Research Products
(4 results)