2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24687006
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
川上 恵典 大阪市立大学, 複合先端研究機構, 准教授 (40619904)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 光化学系II / 酸素発生反応 / 酸素発生中心 / ヨウ素イオン / 還元反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物やラン藻は光エネルギーを吸収して光化学系II(PSII)で電荷分離・電子伝達反応を行うとともに、酸素発生中心であるMn4CaO5クラスターで酸素発生反応を行う。PSIIの酸素発生反応、特にプロトン放出機構にに塩素イオンが大きく関与していることが報告されているが、塩素イオンを同族元素であるヨウ素イオンに置換すると酸素発生反応が阻害される詳細なメカニズムは明らかにされていなかった。本研究は、ヨウ素イオンに置換したPSII結晶(ヨウ素置換PSII)の構造解析を行うことでその酸素発生阻害のメカニズムを明らかにするとともに、Mn4CaO5クラスターの還元反応に伴う立体構造変化をX線結晶構造解析によって明らかにすることを目的とした。平成27年度において、X線照射にともなうMn4CaO5クラスターの還元を抑え、さらにヨウ素イオン置換によってMn4CaO5クラスターの酸化状態がどのように変化するのかをX線吸収微細構造(XAFS)測定によって明らかにした。X線照射にともなうMn4CaO5クラスターの還元を抑えることで、ヨウ素イオンによってMn4CaO5クラスターを構成するMn原子(Mn4)と酸素原子(O5)の距離が約3.0 Åとなり、この原子間の結合が切れていることが明らかとなった。さらに、Ca原子はインタクトな状態の位置から大きく配置変化を起こし、インタクトな状態では相互作用していなかったD1-Gln165と水素結合距離できる位置にまで移動していることが明らかとなった。さらにXAFS測定から、ヨウ素置換PSIIのMn4CaO5クラスターはインタクトな状態に比べて1または2電子還元されていることがわかり、ヨウ素イオンによってMn4CaO5クラスターは還元され、さらにその還元反応よって引き起こされた立体構造変化を初めて明らかにした。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)