2013 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸化、脱リン酸化酵素の連係による細胞分裂制御の解明
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24687025
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
持田 悟 熊本大学, 大学院先導機構, 特任助教 (60590304)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 細胞周期 / タンパク質リン酸化 |
Research Abstract |
昨年度、ENSAタンパク質に関して3カ所のリン酸化がPP2Aの活性に与える影響を試験管内アッセイ系にて明らかにしてきた。本年度は、これら3カ所のリン酸化部位のin vivo、もしくはsemi-in vivoにおけるリン酸化について詳細な解析を行った。まずN末端領域に存在しているThr28ぶいについては、その周辺のアミノ酸組成からサイクリン依存性キナーゼ(cyclin-dependent kinase, CDK)、もしくはMitogen-activated kinase (MAP kinase)によってリン酸化される可能性が高かった。そこでアフリカツメガエルの卵母細胞、成熟未受精卵細胞、および卵抽出液を用いてリン酸化の有無を調べたところ、成熟未受精卵細胞では高度にリン酸化され、また卵抽出液を非分解型サイクリンによって分裂期に誘導した状態でもリン酸化が見られた。割くんエンドまでの生化学的な解析結果と合わせると、Thr28部位のリン酸化が細胞を分裂期へと誘導する為になにか必須の役割を担っていることを示唆している。一方、ENSAのC末端領域に存在するSer109部位については、過去の文献と周辺のアミノ酸組成から環状アデノシンン一リン酸依存的キナーゼ(cyclic-AMP-activated kinase, PKA)によってリン酸んかされることが分かっていた。卵抽出液にcyclic-AMPを加えて人為的にPKAを活性化するとSer109部位がリン酸化されることが分かった。これまでに生理的条件でSer109部位がリン酸化されるものは見つかっていないが、PKAが多くの重要な生命現象に関わることから今後も解析を続ける。以上の結果は内在性リン酸化酵素がこれら3カ所の部位を状況に応じて使い分け、リン酸化することを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞内、もしくは細胞内に近い環境でのENSAのリン酸化タイミングを明らかにできた。
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Strategy for Future Research Activity |
特に研究推進計画上、変更点は無い。
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Research Products
(3 results)