2015 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯林の断片化がフタバガキ科樹木の雑種化に与える影響の解明
Project/Area Number |
24688017
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
田中 憲蔵 国立研究開発法人 森林総合研究所, 植物生態研究領域, 主任研究員 (30414486)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 熱帯林 / フタバガキ / 雑種 / 断片化 / 劣化 / Shorea |
Outline of Annual Research Achievements |
熱帯林断片化に伴う、優占樹種であるフタバガキ科樹木の雑種化の現状評価と、雑種個体の生理生態的特性の把握を目的に研究を推進した。調査は、マレー半島中部の森林保護区、シンガポールブキティマ自然保護区、マレーシアサラワク州ランビル国立公園で実施した。フタバガキ科サラノキ属(Shorea)とリュウノウジュ属(Dryobalanops)の葉の形態と塩基配列から雑種を判定する技術を確立した。また、シンガポールの断片化林に設置したプロットのモニタリングから、サラノキ属の雑種稚樹の生存率や成長速度は両親種と比べて遜色なく、林内で生存可能であることが分かった。また、雑種個体は、やや明るい環境により定着していたことから、森林劣化による林内環境の明転が雑種の定着を促進する可能性が考えられた。次に、まとまった面積で保全されている天然林ではサラノキ属の雑種がほとんど見つからなかったが小規模林分では雑種が生育してることが分かった。さらに、サラノキ属の雑種第二代や戻し交配個体など後継雑種も発見された。このことはF1雑種が繁殖可能で、両親種間での浸透交雑により、個体数の少ない親種集団が個体数の多い親集団に遺伝的に吸収され消滅する可能性が高く、今後の劣化林の保全を行う上で問題になると考えられた。一方、サラワク州の大規模天然林ではサラノキ属の雑種は見つからなかったが、リュウノウジュ属の種間雑種個体が見つかり、サラノキ属以外のフタバガキ科樹木でも雑種が形成されることが明らかになった。しかし、成木クラスの雑種の割合は1%程度とかなり低かった。これらの結果は熱帯林の適切な保全面積など保全計画の策定にも貢献できる成果である。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)