2013 Fiscal Year Annual Research Report
π結合の連続活性化を基軸とする革新的分子変換法の開発と創薬リードの創出
Project/Area Number |
24689001
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大野 浩章 京都大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (30322192)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 多重結合 / 連続反応 / 全合成 / 化合物ライブラリー / アルカロイド / 薬らしさ / キノカルシン / 金触媒 |
Research Abstract |
近年、コンビナトリアルケミストリーとハイスループットスクリーニングの発展により、多数の化合物を一挙に合成しアッセイすることが可能になった。一方で、単純な組成からなる化合物を網羅的に合成することがヒット化合物を見出す上で必ずしも効率的でないことが明らかになるにつれて、ドラッグライクな天然物型複素環化合物の重要性が再認識されている。ドラッグライクな天然物型複素環化合物を多連続反応により一挙に構築し、多様性指向型合成に展開することが可能となれば、ヒット率の高い化合物ライブラリーを構築する上で極めて有用な方法論となる。報告者は、天然物型ドラッグライク化合物に由来する創薬リードを創出するための基礎的知見を得ることを目的として、平成25年度にはプロパルギルパラジウム触媒の反応性を活用したドラッグライク骨格構築法の開発を行った。 最初にスピロインドール合成法の検討を行った。リガンドとしてdppbを用いて、プロパルギルクロリドをパラジウム触媒で処理すると、トシルアミドによる求核付加を経由したスピロ環化反応が良好に進行することを見出した。求核剤としてマロネートやアセチルアセトンを用いると、環化様式の異なるスピロ環化反応が進行することが明らかとなった。 引き続き、プロパルギルパラジウムに対する求核反応を利用したLaurencia属環状エーテル骨格の構築を試みた。検討の結果、環状プロパルギルカルボナートを基質とすると目的の中員環エーテル構築反応が首尾良く進行することを見出し、laurendecumallene B前駆体の合成に成功した。 その他、多連続反応を用いたaspidophyline Aの不斉全合成研究に着手した。現在までに、基質となるトリインの合成経路を確立し、遷移金属触媒を用いた連続環化反応による骨格構築反応の検討を実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、パラジウム触媒を用いたスピロインドールの合成と、Laurencia属環状エーテル骨格の構築に成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
Aspidophyline Aの不斉全合成研究に関するこれまでの検討の結果、複数のアルキン部位を有する環化前駆体を用いた金触媒連続環化反応は制御が困難であることが明らかになりつつある。そこで今年度は、エンイン型環化前駆体を用いた金触媒反応の検討を行うとともに、パラジウム触媒を用いた連続環化反応による中心骨格一挙構築法の実現を目指す。その他、apparicineおよびcommunesin骨格の構築も併せて検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究は当初の予定通り進捗しているが、複数の多様なアプローチの開拓を主眼として研究を展開した。これに伴い、有望な合成経路で利用する共通基質の大量合成を次年度以降に実施することとなり、次年度使用額が生じた。 【物品費】出発原料となるグリシドール、アルキン系化合物、およびインドール系化合物や、多連続反応の触媒となる金錯体、銀塩の他、シリカゲル、溶媒、ガラス器具を購入する予定である。 【旅費】情報収集および研究成果発表を目的とした学会参加に充当する。 【人件費・謝金、その他】データ整理を依頼するための謝金、機器修理費用、分析依頼料に充当する。
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Research Products
(17 results)