2013 Fiscal Year Annual Research Report
RNAi医薬品の実用化に向けたsiRNAの細胞内輸送機構の解析
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24689005
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
井上 貴雄 国立医薬品食品衛生研究所, 遺伝子細胞医薬部, 室長 (50361605)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 核酸医薬 |
Research Abstract |
siRNAやアンチセンスに代表される核酸医薬品は、抗体医薬品に続く次世代医薬品として大きく期待されている。ごく最近、全身投与性のアンチセンス医薬品(家族性高コレステロール血症治療薬)であるミポメルセンがFDAで承認されたが、現状では投与量が非常に大きく、細胞内への核酸医薬品(オリゴ核酸)の導入効率を改善することが急務の課題となっている。本研究課題ではこれまで分子基盤がほとんど明らかになっていない細胞内へのオリゴ核酸の取り込み機構に関し、無脊椎動物(線虫、ショウジョウバエ等)の解析から明らかになった知見をヒントに、ヒト細胞を用いて包括的に検証する。また、siRNAライブラリーを用いた網羅的スクリーニングにより、細胞内へのオリゴ核酸の取り込みに関わる分子を探索する。これにより、病態局所においてオリゴ核酸の取り込みを促進する分子を同定する。 25年度においては、易分解性GFPを発現する細胞株を新たに樹立し、マルチイメージアナライザー(In Cell Analyzer 2000)を用いてオリゴ核酸の細胞内取り込みを評価するスクリーニング系を作製した。取り込みアッセイに用いるオリゴ核酸は数百の配列からスクリーニングを行い、GFPを効率よく分解するよう最適化した。この評価系を用いて、一本鎖オリゴ核酸(アンチセンス等)および二本鎖オリゴ核酸(siRNA等)について、取り込みに関わる分子を探索し、これまでに1つの候補分子を同定した(1次スクリーニング継続中)。この候補分子は、一本鎖オリゴ核酸と二本鎖オリゴ核酸の間で取り込みに対する寄与が異なっており、オリゴ核酸の構造、作用部位、作用機序等によって、取り込み機構が異なることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既にオリゴ核酸の取り込みに関わると思われる分子を同定している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究方針に基づき遂行する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
26年度に「網羅的RNAiスクリーニング」ならびに「ゲノム編集技術による遺伝子欠損細胞の作製」を行うが、研究給費の必要性が26年度の方が大きいため 「網羅的RNAiスクリーニング」ならびに「ゲノム編集技術による遺伝子欠損細胞の作製」を遂行するために使用。
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