2014 Fiscal Year Annual Research Report
脱アセチル化酵素サーチュインによる新規代謝産物O-アセチルADPリボースの機能
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24689019
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
中川 崇 富山大学, 先端ライフサイエンス拠点, 特命助教 (40610374)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、老化関連分子であるサーチュインのO-アセチルADPリボース(OAADPR)合成酵素としての役割に注目し、OAADPRの生理活性を解明するとともに、OAADPR代謝と老化関連疾患とのつながりについて、網羅的メタボロミクスや遺伝子改変マウスを用いて、分子レベルから個体レベルまで包括的に解析することを目標とする。そのため、平成24年度から27年度までの研究期間内に、①OAADPR結合タンパク質の探索、およびOAADPRの生理活性の解明、②網羅的メタボローム解析を用いたOAADPRの代謝システム全体に対する影響、③遺伝子改変マウスを用いた、OAADPRの生体内における役割の3つについて解明することで、OAADPR代謝系をターゲットとした、将来的な疾患治療法開発に結びつけていくことを目的とした。今年度はOAADPRならびに、ADP-Ribose (ADPR)のがん細胞における役割を解析した。DNA損傷が入ると、がん細胞ではPARPが活性化し、NADの消費によりポリADPR化が起こるが、NAD合成酵素の一つがこの経路に重要であることを示唆するデータを得た。またNudt5のノックアウトマウスはキメラマウスを得たことから、繁殖を行い、順次解析していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Nudt5のノックアウトマウスの作成が遅れており、それに伴い解析も来年度より開始する。メタボロミクスの解析については順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題では、老化関連分子であるサーチュインのO-アセチルADPリボース(OAADPR)合成酵素としての役割に注目し、OAADPRの生理活性を解明するとともに、OAADPR代謝と老化関連疾患とのつながりについて、網羅的メタボロミクスや遺伝子改変マウスを用いて、分子レベルから個体レベルまで包括的に解析することを目標とする。そのため、平成24年度から27年度までの研究期間内に、網羅的メタボローム解析を用いたOAADPRの代謝システム全体に対する影響、遺伝子改変マウスを用いた、OAADPRの生体内における役割について解明することで、OAADPR代謝系をターゲットとした、将来的な疾患治療法開発に結びつけていくことを目的とした。今後はOAADPRならびに、ADP-Ribose (ADPR)のがん細胞における役割について、今年度同定した、NAD合成酵素の一つについて解析を進めていく。また遅れているNudt5のノックアウトマウスの解析も今年度より開始する。
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Causes of Carryover |
マウスを用いた実験を次年度に行うため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
マウスを用いた実験に使用
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