2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規オートファジーの変調による血球貪食症候群の病態解明と治療法の開発
Project/Area Number |
24689020
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
荒川 聡子 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (90415159)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 赤血球 / ミトコンドリア / オートファジー / 血球貪食症候群 |
Research Abstract |
オートファジーは細胞内の不要な蛋白質やオルガネラを分解するシステムであり、細胞の飢餓や薬剤ストレスなどで誘導される。我々はオートファジーに必須とされてきたAtg5やAtg7に依存しない新たなメカニズムによるオルタナティブ・オートファジーを発見した。本研究では、このオルタナティブ・オートファジーと赤血球分化との関連の詳細を明らかにする事、この現象の異常と疾病との関係を明らかにする事を目的に研究を行った。 最初に、オルタナティブ・オートファジーに必須の分子であるUlk1 遺伝子のノックアウトマウスを作製し、その胎仔肝臓(胎仔期において肝臓は造血器官)から赤血球を単離し、Atg5 依存的オートファジーとオルタナティブ・オートファジーの有無を検討した。その結果、Ulk1 欠損赤血球ではオルタナティブ・オートファジーが殆どみられず、赤血球の最終分化過程でミトコンドリアの除去が実行されなかった。一方、Atg5欠損赤血球においてはこの過程は正常であった。これらの事実より、赤血球マイトファジーは、新規オートファジーに大きく依存している事が明らかとなった。 さらに、赤血球マイトファジーに関わる分子の検索を行なった。その結果、HSP90-Cdc32複合体やAtg13に関してはその関与がほぼない一方、Nixについては関連性が示唆された。 次に、Ulk1欠損マウスでの貧血の有無を検討したところ、野生型マウス胎仔とAtg5欠損マウス胎仔は、ほぼ同じ赤血球数、ヘモグロビン濃度であったが、Ulk1欠損マウス胎仔では貧血に陥っていた。この原因を探索したところ、Ulk1欠損赤血球では、アポトーシスが起きやすく、マクロファージに貪食される可能性が高い事が明らかとなった。 これらの研究成果をまとめた論文は、Nature Communicationsに受理され、近々公表される予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)