2013 Fiscal Year Annual Research Report
miR-145を標的としたTRAIL経路活性化による癌の「分子標的併用予防法」
Project/Area Number |
24689031
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
友杉 真野 (堀中 真野) 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80512037)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | microRNA / TRAIL / 癌予防 / アポトーシス / 分子標的併用予防 |
Research Abstract |
癌予防効果を持つ代表的サイトカインであるTRAILは、受容体であるDR5を発現している癌細胞に対して特異的にアポトーシスを誘導する。しかしながら、多くの癌細胞ではTRAILの発現が抑制されていることが癌予防における大きな障害となっている。そこで今回、TRAILの発現を促進させるmicroRNAに着目した。従来の研究成果であるDR5発現誘導成分、及び免疫細胞からのTRAIL産生誘導成分に加え、今回の研究で得られるTRAIL誘導性microRNA発現誘導成分との組み合わせによる「癌の分子標的併用予防法」の開発を最終目的とする。 研究計画段階では、既報を参考に、TRAILの発現を促進させるmicroRNAとして「miR-145」に着目した。しかしながら、平成24年度中に行った数々の実験の結果、miR-145の過剰発現によるTRAIL発現上昇は確認されなかった。そのため、研究計画を修正し、癌抑制microRNAの中から、TRAILの発現を誘導するmicroRNAの探索に着手した。 その成果として、新規TRAIL発現誘導microRNAとして、miR-34aを見出すことができた。癌抑制microRNAであるmiR-34aは、正常細胞に比べ、多くの癌細胞では発現量が低下していることが報告されている。miR-34aによって、TRAILの発現が正に制御されているのであれば、癌細胞におけるTRAILの発現抑制は、このmiR-34aの発現が抑制されていることに起因すると考えられる。 平成24年度は、癌細胞における新規のTRAIL発現抑制メカニズムとして、miR-34aの存在を示唆する結果を出すことができた。平成25年度は、miR-34aによるTRAIL発現調節機構の解明を進めた。その結果、TRAILの発現制御にmiR-34aの関与を明らかなものとし、さらに、その機序に関連する経路の同定に至った。加えて、TRAIL感受性増強に関わる新規経路の同定と、TRAIL感受性増強成分として、新たにイブプロフェンを見出した。最終的な癌の併用予防法への提案においても、有力な候補成分となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の目的であった、miR-145に関しては、既報を参考にTRAIL発現誘導能の確認実験を行ったが、複数回の実験で既報と同様の結果は得られず、申請者の所属する研究室の実験施設においては、また、実験に使用した癌細胞株においては、TRAILの発現はmiR-145によっては誘導されないという結果であった。その再現性が確認されたため、計画を一部変更し、miR-34aを標的とすることとした。その分、予定よりも進行は遅れている状況である。しかしながら、その後、miR-34aからのTRAIL発現制御機序の解明に向けた種々の実験に関しては、概ね順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画における参考論文の結果の再現が得られなかったため、対応策として平成24年度の内に計画を一部変更した。TRAILの発現を誘導するmicroRNAを探索することから始めた結果、新規TRAIL発現誘導microRNAとして、miR-34aを見出すことができた。今後は、miR-34aによるTRAIL発現誘導メカニズムの解明を進め、癌細胞のアポトーシス回避機構の一つであるかの証明を目指したい。平成26年度の間には、この新規性を証明できる実験結果を論文にまとめ、投稿に入りたいと考えている。次に、癌予防食品成分の中からmiR-34a発現誘導能を探索し、それらのTRAIL発現誘導能についても検証する。最終的には、miR-34aの発現を誘導する食品成分によって、TRAIL発現誘導を介した癌細胞のアポトーシス誘導の検証実験、そしてマウス試験による発癌抑制効果の評価に進む方向である。
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Research Products
(5 results)