2013 Fiscal Year Annual Research Report
心筋細胞特異的発現遺伝子群の統合的調節機構および慢性的疾患発生機序の解明
Project/Area Number |
24689037
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小田 真由美 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (80567511)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | エピゲノム / 心不全 / DNAメチル化 / 細胞特異的遺伝子 / 成熟細胞 / 病態発生 / エピジェネティック制御 / gene body領域 |
Research Abstract |
本研究計画は、DNAメチル化エピゲノム解析によって、心筋細胞の発生と成熟について理解することを目的としている。そのため、これまでに大量DNAメチル化解析法であるHELP法によって作成した心筋細胞の発生化的における均一な細胞集団からのDNAメチル化エピゲノムデータを基に、さらにES細胞と肝臓のDNAメチル化エピゲノムデータを加えることにより、細胞特異的なDNAメチル化パターンをゲノムワイドに把握した。更にこれを詳しく調べるために、各細胞種の遺伝子発現パターンによって遺伝子群を分類したところ、プロモーター領域よりも、gene body領域(プロモーターを除く遺伝子のエクソンおよびイントロン領域)で興味深いDNAメチル化パターンが観察された。限られた高発現遺伝子の一部に、極めて低メチル化状態のgene body領域を持つ遺伝子が含まれており、成体の成熟細胞では特に細胞種特異的発現遺伝子がこれに多く含まれていた。細胞種特異的発現遺伝子の低メチル化はES細胞には観察されず、分化・成熟細胞の特徴と考えられた。このgene body領域はENCODEの網羅的エピゲノムデータと比較すると、Pol2およびp300の蓄積する遺伝子と一致しており、Pol2およびp300の蓄積が成熟細胞におけるgene body領域のDNA低メチル化と密接な関係をもつことが示唆された。更にこれらの領域についてDNA脱メチル化中間産物についても解析したところ興味深いDNAメチル化ターンオーバーが観察された。心不全においては、慢性的な酸化ストレスが病態発生の一つの要因とされていることから、酸化ストレスがDNAメチル化ターンオーバーを介して特定の遺伝子群の発現増強に関わっている可能性があり、本研究によってその標的候補遺伝子を示すことができたといえる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)