2012 Fiscal Year Annual Research Report
腸管上皮細胞に発現するLGR5のスプライシングバリアントの解析
Project/Area Number |
24689054
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西村 潤一 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (20379209)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | LGR5 / 腸管上皮幹細胞 / スプライシングバリアント |
Research Abstract |
採取した検体を20mMEDTA/PBSに室温で浸透することにより腸管上皮細胞を分離した。浸透時間を調整することにより腸管上皮細胞の表面・中間層・陰窩を比較的特異的に分離することが可能となった。その結果、LGR5のスプライシングバリアントは陰窩に存在することが分かった。しかし、陰窩の腸管上皮幹細胞であるかどうかは確定できていない。今後、現在腸管上皮幹細胞に発現していると報告のあるマーカーを用いてFACSなどにより幹細胞を分離する技術を模索している。LGR5の各バリアントの作製は、正常腸管の上皮細胞を使用して行った。全長cDNAをPCRにより増幅し、発現ベクターに組込み、HEK293に導入することで強制発現系を確立した。その結果LGR5のスプライシングバリアントは増殖能が低下していると考えられた。今後、LGR5からwntシグナルを活性化させるR-Spondin1やWnt3aを添加することで、LGR5の活性化にスプライシングバリアントがどのようにかかわるかを解析する予定である。また、一時的強制発現系のみならず恒常的強制発現系の細胞株を確立することで解析結果の安定化を図る予定である。また、LGR5の市販抗体ではスプライシングバリアントと全長LGR5を区別することはできない。スプライシングバリアントを考慮に入れたLGR5の局在を解析するためには新たな抗体の作製と判断した。全長LGR5のみを標識する抗体を作成し、LGR5の局在を市販抗体と比較する予定である。これらの結果によりLGR5スプライシングバリアントの存在意義、機能などが分かれば、腸管上皮幹細胞の機能解析につながるものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
おおむね実験計画通りの結果が得られていると判断する。しかし、恒常的過剰発現系の確立に至っていない点が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
作成されたLGR5の一過性過剰発現系HEK293細胞、また今後作成予定の恒常的過剰発現系HEK293細胞を用いてLGR5タンパクの機能解析を行うことを優先的に進める。また、今後作成される新たなαLGR5抗体を用いることにより、FACSなどを用いたLGR5陽性細胞の単離に挑戦する予定である。
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