2012 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪組織由来多前駆細胞を用いる薬剤誘導心筋前駆細胞シートの臨床展開にむけた研究
Project/Area Number |
24689055
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
|
Research Institution | Foundation for Biomedical Research and Innovation |
Principal Investigator |
大倉 華雪 公益財団法人先端医療振興財団, 再生医療開発支援部, 副部長 (20589684)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 心筋 / 再生 / 脂肪幹細胞 |
Research Abstract |
本研究では心筋梗塞モデル動物を用い、薬剤誘導心筋前駆細胞シートの有効性を検証することを最終目標としている。そのため、平成24年度においては、薬剤誘導心筋前駆細胞シートの作製条件の検討を中心に行った。低分子化合物ライブラリーから、添加培養により心筋マーカーであるalpha-Cardiac actin、Myosin Light Chain、Cardiac troponin I、Myosin Heavy Chainのすべての発現を誘導する薬剤としてスクリーニングに成功した"polyamine"は、スペルミン、スペルミジン、プトレッシンを含む。平成24年度においては、それらポリアミンのうち、スペルミンが心筋指向細胞への誘導に最適であり、かつ薬事法42条基準への適合性の検討を要しない化成品であることが確認した。スペルミンのincubation timeとしては24時間±12時間が最適で、その濃度は血中濃度の約20倍である100μM、シート化条件としては、培地中で使用していたBSAがシート化を阻害している可能性が示され、ヒト献血由来アルブミンに変更することでシート化することに成功した。シート化した細胞は、nkx2.5の誘導のみならず、心筋構成タンパクの発現増強も認め、心筋指向細胞として移植に用いうることが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、数あるポリアミンの中でも、どの薬剤が最も適しているか、の検討、および選択された試薬を用いた培養でシート化させること、をもっとも大きな目的としていたが、いずれも検証することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
当該細胞シートをもちいた小動物、大動物実験を通じ、有効性の検証とともに、前臨床試験として、有害事象の有無を検討しその安全性についても検討を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
動物実験を行うに際し、年度を分けて小規模に行うより、年度を合わせて規模を大きくすることで、一群のn数を増やし、より詳細な比較検討を行う。
|