2013 Fiscal Year Annual Research Report
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24689070
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊藤 祥作 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (90360495)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 未分化間葉系幹細胞 / 象牙質・歯髄複合体 / LIF / シグナル伝達経路 / 骨芽細胞 |
Research Abstract |
歯科における2大疾患の一つであるう蝕は, う蝕病原細菌により象牙質・歯髄複合体が損なわれる疾病である。う蝕により失われた象牙質・歯髄複合体の回復を目指した薬剤を用いての治療法の開発は, 多くの研究グループのもとで行われてきた。本申請課題は, 薬剤ではなく, 未分化間葉系幹細胞を用いて象牙質・歯髄複合体の回復を目指すという新たな治療法の確立を目標にしている。具体的には, 未だ単離に成功していない未分化間葉系幹細胞の単離法の開発と遺伝子工学的な手法による未分化間葉系幹細胞の作成を目指し, 象牙質・歯髄複合体再生治療につながる基盤的な研究を行う。平成25年度は、LIFは骨芽細胞への分化および石灰化を抑制するメカニズムについて, LIF-JAK-STAT3シグナル伝達経路の活性化により誘導されるタンパクが骨芽細胞分化特にWnt/β-catenin経路に対し何らかの影響を及ぼしているという仮説のもとに解析をおこなった。まず, LIFの刺激により, STAT3がリン酸化されるかどうか調べたところリン酸化することがわかった。つまり, 骨髄ストローマ細胞においてLIFにより, LIF-JAK-STAT3シグナル伝達経路が活性化することがわかった。次に, STAT3により誘導されるタンパクとしてSOCS3がある。そのSOCS3の発現について調べたところ, LIF刺激2時間後に, SOCS3のタンパクが検出された。さらに, このSOCS3はβ-cateninと会合していることが明らかとなった。以上の結果から, LIF-JAK-STAT3シグナル伝達経路により誘導されるSOCS3はβ-cateninと会合し, β-cateninをユビキチン化し, 分解することでWntシグナルを抑制性に制御していることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
未分化間葉系幹細胞から骨芽細胞への分化を誘導するシグナル伝達経路の研究成果は, 国際的な学術雑誌に掲載された(in press)。また, 未分化間葉系幹細胞のさらなる精製法についても国際学会にてその研究経過を報告しており, おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は順調に進展しており, 現在のところ研究計画に変更はない。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究の進捗状況が当初の予定よりも円滑に進行したため, 実験試薬等の購入量が想定額よりも低く抑えることができたため。 平成25年度は, より精製した幹細胞集団の細胞表面マーカー(CD44, CD73, CD90, CD105, Sca-1など)の発現パターンについて, フローサイトメトリーをもちいて包括的に解析することを予定している。したがって, 各種細胞表面マーカー抗体を購入する必要性があるため, 抗体の購入に充てる予定である。
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Research Products
(4 results)