2015 Fiscal Year Annual Research Report
ロバストなネットワーク設計のためのグラフ論的アプローチとその一般化に関する研究
Project/Area Number |
24700001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石井 利昌 北海道大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (30324487)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 組合せ最適化 / アルゴリズム / ネットワーク設計 / グラフ理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,主にロバストなネットワーク制御・設計が求められる問題を対象に,グラフを用いた離散最適化問題としての定式化及び効率的なアルゴリズムの構築という立場から研究を進める.さらに手法の一般化を行うことで,ネットワーク問題にとどまらない一般の離散最適化題への貢献を目指す.2015年度に得られた主な結果は以下の通りである.
有限集合 V の任意の部分集合 X, Y に対して, f(X)+f(Y) \geq f(X-Y)+f(Y-X) を満たす集合関数 f: 2^V --> R を正モジュラ関数という.正モジュラ関数は,無向グラフのカット関数など様々な組合せ最適化問題に関連して現れる重要な離散構造である.正モジュラ関数の最小化問題は,それまでエグレス(Egres) 未解決問題に示された重要な未解決問題であったのに対して,本研究では指数時間必要である,より正確には,Ω(2^{n/7.54}) 回のオラクル呼び出しが必要であることを示した.ただし,nは台集合のサイズである.また,値域がD={0,1,..., d} (dは正整数)のとき,Ω(2^{d/15.08})回のオラクル呼び出しが必要である一方,O(n^d T_f+n^{2d+1}) 時間で計算可能であることを示した.ただし,T_fは,集合 X \subseteq V に対して関数値 f(X) の計算に要する時間を表す. さらに,正モジュラ関数の最大化問題に対して,Ω(2^{n-1}) 回のオラクル呼び出しが必要であり,値域が D のときの計算時間がΘ(n^{d-1}T_f)であることを示した.
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Research Products
(3 results)