2013 Fiscal Year Research-status Report
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24700004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 佑輔 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (40581591)
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Keywords | グラフアルゴリズム |
Research Abstract |
辺素パス問題は,グラフマイナーアルゴリズムを用いて解決された最も有名な問題の一つである.多品種流問題は辺素パス問題をさらに拡張した問題であり,近似アルゴリズムが盛んに研究されている難解な問題である.理論計算機科学のトップ会議であるFOCS2013に採択された我々の論文 "All-or-nothing multicommodity flow problem with bounded fractionality in planar graphs" においては,多品種流問題の一種である「平面グラフ上の All-or-nothing 多品種流問題」を対象とし,この問題に対して初めての定数近似アルゴリズムを提案した.本結果は,今回対象としている問題に対して,達成できる近似比の限界を明らかにするものである.本論文においては,「パスの本数」と「カットの大きさ」という互いに双対の関係にある二つの対象に関する議論を組み合わせることが,アルゴリズムの構築において最も重要なポイントとなっている.このように,グラフマイナーアルゴリズムと密接に関係している多品種流問題に対して,双対性を用いた近似アルゴリズムを構築しているという意味で,グラフマイナーアルゴリズムと双対性とを結びつける結果であると言え,本研究課題を進展させる結果であるといえる.今後はグラフマイナーアルゴリズムにおいて,より直接的に双対性を用いる手法の構築が求められる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の最も重要な成果は,「平面グラフ上の All-or-nothing 多品種流問題」に対して初めての定数近似アルゴリズムを構築したことである.「双対性」を用いて多品種流問題に対するアルゴリズムを構築したことは,グラフマイナーアルゴリズムと双対性とを結びつける結果であると言え,本研究目的に沿った成果であるといえる.また,理論計算機科学のトップ会議であるFOCS2013や離散アルゴリズムのトップ会議であるSODA2014に採択されるなど,外部からも高く評価されている.
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き,辺素パス問題など様々なパッキング問題やカバーリング問題に対して,グラフマイナーアルゴリズムを構成し,双対概念を用いた解釈を行なう.そして,グラフマイナーアルゴリズムにおいて,より直接的に双対性を用いる手法の構築を目指す.
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Research Products
(8 results)