2013 Fiscal Year Research-status Report
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24700010
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上野 賢哉 京都大学, 白眉センター, 助教 (70586081)
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Keywords | 計算理論 / 線形計画法 / 整数計画法 / 論理関数 |
Research Abstract |
本研究では、アルゴリズム理論と計算量理論の双方に現れる劣加法構造に着目し、その構造的性質を探索していくことを目的として研究活動を推進している。これにより、算法と計算量という統合的な枠組みの中で計算理論に対する新たな潮流を創成することを目指している。 本年度は、電子情報通信学会コンピュテーション研究会、日本オペレーションズ・リサーチ学会RAMPシンポジウム、そして、ELC Workshop on Inapproximabiliyといった複数の学会および国際ワークショップにおいて招待講演を行い、研究成果を広めるとともに討論や問題提起を行った。また、電子情報通信学会会誌に一般向けの招待解説記事を執筆し掲載された。これまでの研究成果に関しても、改訂作業を重ね論文誌へ掲載された。 また、新しく計算困難な問題に対する厳密アルゴリズムの研究を始動させた。特に、本研究計画の対象である論理式の解析技術に深く関与する等式制約型の0-1整数計画問題に関して研究を行い、その結果、全探索よりも二次的に高速で動く指数時間アルゴリズムの開発に成功した。このアルゴリズムにより大規模データを分析する可能性が拓け、論理式サイズの下界値の解析のみならず、実際的な応用も数多く考えられる。この成果に関して論文を執筆し、国際会議などへ投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の中核となる業績が、本年度内において論文誌に掲載させることができた。また、アルゴリズム理論の研究を始動させ成果を得ることができた。特に、昨年度より調査を進めていた0-1行列に関連するような研究成果を得ることができた。 得られた研究成果は、本研究計画で掲げている研究目標と合致するものであり、また、計算理論において基本的な問題に対して進展を与えることができたという点において評価できるものである。 計算量理論で開発されてきた技術をアルゴリズム理論へと応用し、それをさらに計算量理論への解析へと援用するという流れを創世できた。本研究課題の目指しているところである、算法と計算量という統合的な枠組みへと前進することができたものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度において得られた成果について、論文投稿および学会発表を行い、研究内容をさらに洗練・深化させていく予定である。特に、アルゴリズムの実装評価に必要な高速な計算機環境を再整備し、研究を促進させていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
これまでに整備してきた計算機環境や外部発表のためのノートPC及びソフトウェア環境を引き続き活用することができたため、本年度の計画において計上していたPC関連機器およびソフトウェアのための経費を次年度に繰り越すこととした。 次年度においては、主として計算機とソフトウェアの購入ためにこの予算を使用する計画となっている。
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Research Products
(5 results)