2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24700014
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
DAHAN Xavier 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 研究員 (50567518)
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Keywords | グレブナー基底 / 補間式 / ビット長の上界 / 多変数多項式 / 三角形方 |
Research Abstract |
「研究実施計画」に述べた通り、本研究の主な実績、辞書式順序グレブナー基底(lex Gbで略記)に対する新しい補間式の設置である。有限個の根を持つlex Gbの場合、明確な補間式を与える根の集合の分解を紹介した。これは簡明さの点で、また被約グレブナー基底(red lex Gbで略記)だけでなく任意のlex Gbに適用している方式の点でも、関連する先行結果を改善している。この方式から、lex Gbの構造がよく知られた結果(Gianni-Kalkbrener 1987, Lazard 1985)を一般化しているのを読み取れた。 グレブナー基底を計算する際に係数が膨大になるという現象は、よく知られてある。補間方式(1)から、lex Gbの係数のビット長(2)に対する上界を得ることができ、この上界によって上記の現象を理解できるように、大事な段階である。そのような上界を二つの特別なlex Gbのために計算した:一つはもちろんred lex Gbであり、そしてもう一つは補間式(1)から「自然に」推定されるlex Gbである。この後者のlex Gbの重要性としては、より小さな係数を現している一方、この係数の個数がred lex Gbより多くあり得る。 研究計画の後半の「分解」(3)は大分進んだ。大きいlex Gbの一つを、幾つかのより小さい三角形の形が現れる特別なlex Gb(triangular setsという)に分解することである。このようなアルゴリズム(Moller 1992)はもう存在している一方、重いグレブナー基底のルーチンに基づいているのに対して、lex Gbの構造(1)によって提案したアルゴリズムは、はるかに計算量が低い多項式の割り算だけを利用している。さらに、同様なアルゴリズムを利用することで、研究計画で記載しなかった新たな問題に適用できることがわかった。これはradical computationといい、重複根を単純根に変換することである。和弘横山教授(立教大学)との共同研究であり、多項式の割り算だけを利用する初のlex Gbのradical computationアルゴリズムを得られる。
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