2013 Fiscal Year Research-status Report
非正則なデータ構造上の非数値計算問題に対するスケルトン並列プログラミングの応用
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24700025
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
江本 健斗 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 助教 (00587470)
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Keywords | 生成検査集約プログラミング / スケルトン並列プログラミング / 並列蓄積計算 / MapReduce / 融合変換 / 能動的ライブラリ |
Research Abstract |
昨年度の研究に引き続き,生成検査集約プログラミングをグラフへと応用・拡張するための基礎的な技術の研究に関して,以下のような成果を得た.まず,MapReduce 上に生成検査集約プログラミングを実現するためのライブラリを実装・提供し,最尤隠状態系列計算などの新たな列に関する応用問題に対して簡単に効率の良い MapReduce 型並列プログラムが得られる環境が実現できることが示された.次に,グラフとその木分解の対応に基づいたグラフ上の生成検査集約プログラミングの実現に必要なMapReduce 上での木蓄積計算の実現に向け,その基礎技術となる列蓄積計算の MapReduce 上での実現がなされた.これには列上の縮約計算の手法を列上の蓄積計算へと拡張するという方針が取られたが,同様の手法を昨年度の成果である木上の縮約計算に適用することで,木上の蓄積計算の MapReduce 実現が期待できる.最後に,本研究の生成検査集約プログラミングにおける最適化機構の基本となった,我々の開発するスケルトンライブラリ SkeTo のもつスケルトン融合最適化機構の新たな実装法が示された.これは,既存の枠組みに長さの変わる列の扱いを追加しても最適化機構を実現できることを示している.同様の仕組みを応用することで,生成検査集約プログラミングに基本データ構造の変換を追加した枠組みに最適化機構を実現できると期待される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実現の観点では,グラフとその木分解の対応に基づいたグラフ上の生成検査集約プログラミング実現に必要な基礎技術の実現に関するいくつかの成果を得た.また,新たな応用問題に対して実現された実装の効果を確認することもできた.定式化の観点では,既存のスケルトンライブラリの最適化機構に対して行われた拡張の応用により,生成検査集約プログラミングの最適化機構の拡張が期待できる.これらにより,研究が概ね順調に進展していると判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
定式化の観点では,木分解に基づく生成検査集約プログラミングを実際のグラフ問題に応用する.また,生成子・検査子・集約子のみを利用する現状の生成検査集約プログラミングの理論に対し,そららの間にデータ構造の変換を行う変換子を導入し定式化することを試みる.さらに,これらの定式化の正しさを機械的に保証するための枠組みに関する研究も進める. 実現の観点では,引き続き生成検査集約プログラミングを提供するライブラリの改良に務める. また,以上に関する研究成果を学会等で発表する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額の生じた理由は,大きく以下の2点である.まず,計画していた海外出張を別予算の出張に重ねることで,海外出張旅費の消費が抑えられた.次に,計画していた計算機の購入を見送った.これは,幾つかの予備実験により,グラフ上の生成検査集約プログラミングの実現に適した計算機環境に関して再考が必要と判断したためである. 追加の予備実験により購入すべき計算機の種類は決定した.計画通りに計算機を速やかに購入する.また,予算の都合で見送っていた国際会議への参加の為の海外出張費に当てる.
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