2014 Fiscal Year Annual Research Report
性能可搬性を提供する仮想計算機マイグレーション技術の研究
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24700040
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
高野 了成 独立行政法人産業技術総合研究所, 情報技術研究部門, 研究グループ長 (10509516)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ソフトウェア / 計算機システム / ネットワーク / 仮想計算機 / 高性能計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
高性能計算など様々な用途でクラウドの利用が拡大しているが、クラウドで広く用いられる仮想化された計算機環境は、従来の物理クラスタと同等の性能を得ることが難しいという課題を抱えている。本研究は、EthernetやInfiniBandといった異なる通信インタフェースをもつクラスタ計算機を接続し、その上でクラスタ計算機を跨ぐ仮想計算機マイグレーションを実現し、アプリケーションプログラムからすべてのクラスタ計算機が透過的に扱えるようにし、かつ計算機環境の変化に適応して最大の通信性能を達成する性能可搬性を実現することを目的とする。 3年計画の最終年度となる平成26年度は、これまで研究開発した仮想計算機マイグレーション技術の実用化および普及を図った。まず、昨年度開発した異なる通信インタフェースをもつクラスタ計算機を跨ぐマイグレーション機構Ninja migrationの完成度を高め、オープンソースソフトウェアとして公開した。また、本機能の一部をクラウドミドルウェアとして普及が進むApache CloudStackへ実装し、産総研内のプライベートクラウドAIST Super Green Cloud (ASGC)における運用を開始した。また、ASGC上で動作する仮想クラスタを必要に応じてAmazon EC2でも再構築できるようにした。これによりユーザはInfiniBandの高い入出力性能を損なうことなくクラウド環境の利便性を享受できるようになった。本成果について、2014年12月にシンガポールで開催された国際会議IEEE CloudCom 2014、および2015年3月に台湾で開催された国際会議ISGC 2015で発表した。
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