2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24700044
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三輪 忍 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (90402940)
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Keywords | マイクロプロセッサ / アーキテクチャ / 熱 / ターボ・モード / アクティビティ・マイグレーション |
Research Abstract |
近年のマイクロプロセッサの性能はチップ温度によって制限を受けることが多い.そこで本課題では,アーキテクチャ・レベルでチップ温度を低減する方法の研究開発を行い,それによるプロセッサ性能の向上を目指した.本年度は,近年の商用プロセッサにおいて広く採用されているターボ・モードに着目し,ターボ・モード中にプロセッサが利用できる最大動作周波数を引き上げる手法としてアクティビティ・マイグレーションを行うものとした.アクティビティ・マイグレーションとは,プロセッサ内にホットなモジュールの複製を用意し,モジュールを交互に利用することでその温度上昇を抑える手法である.従来のアクティビティ・マイグレーションは,1)空間粒度が非常に粗く,面積の増分に見合うだけの性能向上が必ずしも得られていない,2)アクティビティ・マイグレーションの効果は追加するモジュールの種類や数に依存するが,それらは経験的に決定されていた,3)現実的な動作環境(プロセッサ・アーキクチャやアプリケーションなど)において効果が確認されていない,などの問題があった.そこで本年度は,1)ALUなどのユニットを単位とする細粒度なアクティビティ・マイグレーションを提案し,2)ユニットの温度上昇モデルを用いたマイグレーション対象と数の決定手法を提案し,3)プロセッサ・シミュレータと温度シミュレータを組み合わせた評価環境を用いてアクティビティ・マイグレーションの詳細な評価を行った.評価の結果,本課題で開発した手法により,最新のデスクトップ・レベルのプロセッサを想定した場合において,2.8% の面積増加で最大14.5% の性能向上を達成できることを確認した.
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