2012 Fiscal Year Research-status Report
超大容量通信のための新たな全光ネットワーク制御技術に関する研究
Project/Area Number |
24700065
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
廣田 悠介 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (20533136)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 全光ネットワーク / 周波数資源割当 / エラスティック光パス / トラヒック予測 / ノードアーキテクチャ / ルーティング |
Research Abstract |
近年、動画像配信などにより通信トラヒックは急増し続けている。超大容量通信を実現するために様々な光ファイバやデバイス技術などの光通信技術が発展しつつある。しかし、真に新世代のインフラとしてのネットワークを実現するためには、デバイスレベルだけにとどまらず、ネットワークレベルの技術革新も必要となっている。本研究は、超大容量全光通信の実現に向けてのシステム制御手法の確立を目指すものであり、その基本的なアプローチとして、ネットワーク資源の競合を回避するための資源割当アルゴリズム、資源予約プロトコル技術、及び、災害などの緊急時においても高速大容量な通信を提供可能なネットワークアーキテクチャを構築する。 今年度は、波長以外にファイバの次元も加えた膨大な解空間から適切な解を求める必要があるマルチファイバ環境において、各送受信ノード間の伝送距離に応じて柔軟に割り当てる周波数資源を選択することが可能なエラスティック光パスネットワークのための資源割当アルゴリズムを開発した。動的に発生する接続要求に対して、複数の制約条件下で準最適な解を実現可能な時間で求めるヒューリスティック手法を確立し、基本評価によってその有効性を確認した。また、エラスティック光パスネットワークにおいて、送受信ノード毎に大きく異なる棄却率の不公平性を改善するためのパス分割化手法を提案し、その有効性を確認した。更には、粒子フィルタの概念を、光ネットワークで必要となる周波数資源量の予測推定に用いることを提案し、基礎検討の結果、長期のトラヒック傾向に対して粒子フィルタを用いた短期のトラヒック推定を用いて補正することで、通常時に特に有効な資源割当が可能であるとともに、異常なトラヒック傾向を示した場合の検知が可能であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ、応募時の研究計画書通りに進捗している。本年での成果は論文に投稿中あるいは投稿準備中であり、次年度に向けての要素技術の検討は着実に進んでいる。一方で、物理特性劣化に関しては検討が遅れているものの、マルチコアファイバの利用といった新たな要素の検討も合わせて行っており、また、OpenFlowを用いたネットワーク制御に関する検討も当初計画に先んじて行っており、全体としては順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度で明らかにした種々の制約条件に基づいて、End-to-Endで安定した大容量通信を提供するための資源割当手法の確立を進める。特に、空間分割多重に分類されるマルチモードファイバやマルチコアファイバが新たなデバイス技術として注目され始めている。そこで、特にマルチコアファイバにおける資源割当の特徴を明らかにするとともに、マルチコアファイバを具備したノードアーキテクチャに関しても検討を進める。一方、ネットワーク制御に係わる情報の縮退化に関しても検討を行い、前年度で検討を行ったトラヒック予測技術を用いたネットワーク制御の確立に向けた研究も進める。シグナリングの違いや遅延による影響も定量的に評価し、超大容量光ネットワークにおいて適切な手法を確立する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ワークステーションの購入価格が予定よりも安価に抑えられたため、次年度購入予定の評価用計算機サーバ購入の一部に充てる。
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Research Products
(2 results)