2013 Fiscal Year Research-status Report
通信が切れない高信頼な無線アドホックネットワーク基盤技術の開発
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24700069
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
吉廣 卓哉 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (80362862)
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Keywords | ネットワーク / グラフ理論 / アドホックネットワーク |
Research Abstract |
平成25年度には、①広告トポロジの冗長性確保、②迂回路の即時利用、③ループの削減のそれぞれについて研究を実施した。 ①に関しては、平成24年度に提案した、OLSRにおいて迂回路を保証できる冗長トポロジを広告する手法を整理し、実験結果と理論的成果を再構成(論文の修正)することで、海外の論文誌に投稿する準備を整えた。 ②に関しては、①をネットワークシミュレータに実装したうえで、申請者らが提案しているIP Fast Reroute法(有線ネットワークにおいて事前計算した迂回路を用いて故障に即時対応する方法)であるSBRを適用し、基礎的な評価を行った。その結果、従来法と比較して大幅な性能向上が見られた。その結果を国内会議で発表した。 また、OLSRにおいて、輻輳を迂回するためにSBRよりも少し大きく迂回する迂回路構築方式を新たに考案した。無線ネットワークでは、有線ネットワークよりも、輻輳が影響する範囲が広いため、より広い範囲を迂回する方法が有効であると考えられる。本提案手法をネットワークシミュレータに実装し評価した結果、輻輳等の影響が残るものの、若干の性能向上が見られた。その結果を国内会議で発表した。 ③に関しては、様々な条件で網羅的な評価実験を実施した。その結果、経路切替時に発生する輻輳の影響により、性能向上は限定的であることが判明した。課題③ではループの根絶を目指していたが、このためには、無線マルチホップネットワークにおける適切な輻輳制御法が必須であると結論付けられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
課題①②に関して順調に進捗し、研究発表を重ねている。課題③については、予定通りに評価を実施したものの、想定通りの結果を得るに至らず、提案手法の確たる有効性を確認することはできなかった。しかし、その分、課題②において新たな迂回路構築手法を提案したため、全体としては進捗度合いは順調であると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
課題①及び②を推進する。課題①は、平成25年度の成果を学術論文としてとりまとめ、早期に国際的な有力論文誌に投稿する予定である。課題②は、平成25年度に実施した基本評価をさらに推進し、提案手法の総合的な評価を行ったうえで、研究発表を行う予定である。また、平成25年度に提案した新たな迂回路構築手法についても、さらなる評価・改良を行って研究発表を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ほぼ予定通り実施できており、僅かに3000円程度の差があるのみである。 この差額は、各費目の執行額と予定額の差が累積された結果である。 次年度使用額は僅かであるので、平成26年度の執行額を調整する目的で有効に使用する。
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Research Products
(2 results)